徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2016. 03. 01 (火)】 author : スポンサードリンク
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京妙、京蔵、京紫が明かした「京屋の秘密」トークレポ
平成28年2月27日(土) 歌舞伎座ギャラリーで開催(19時〜20時30分)

幸いチケットが確保できましたので、「京屋の秘密」トークに参加してきました。

初の試みである座談会形式のトークは戸部氏の飾り気のない司会進行で、京妙、京蔵、京紫の三人のお弟子の口から四代目雀右衛門の役者としての魅力、後見や舞台袖など舞台裏や楽屋でのありのままの姿が語られ、エピソード豊富なまことに内容の濃いトークでした。以下は当日のトークについて、主に2月28日に連続してツイートしたものをベースに誤りを直し、加筆修正してまとめたものです。

(1)入門の経緯。京妙「叔母が歌舞伎好きで観劇に連れて行ってもらっていました。肉眼ではじめて雀右衛門の舞台を観たのは昭和39年の四代目襲名披露『妹背山婦女庭訓』のお三輪です。華のある牡丹のような女形でしたから、憧れました。美的感覚にすぐれた人で、頭(鬘)も自分たちは良いと思っても師匠がダメ出しをして直してもらうとさらによくなるのです」

(2)京蔵「祖母が歌舞伎好きでしたから、抱き子の時から歌舞伎へ連れて行ってもらいました。師匠の舞台は襲名の前年『生きている小平次』、襲名では『金閣寺』雪姫を観ました。女形になりたいとは漠然と考えていましたが、思春期の頃(京蔵さんの表現はもっと生々しかったですが^^;)、師匠の女形に他の方にない何とも言えない色気を感じ、迷いなく女形の道へ進みました」

(3)京紫「九州出身なので歌舞伎は年一回巡業しか観ることができませんでしたが、踊りは習っていました。高一の時巡業で『男女道成寺』『弁慶上使』を観て、おわさには震えるほど感動し師匠の名前が刻印されました。国立の研修生を卒業すると一年間フリーで舞台に立つのですが、なかなかお声がかかりませんでした。ようやく京屋に入門が決まり、ご挨拶に伺った時師匠は真っ赤なブルゾンを着て色黒だったので、楚々とした舞台とあまりに違うことに驚きました」

(4)京妙「師匠の教えはとにかく大事に芝居をしろということでした。たとえ通行人の役でもです。顔も綺麗に作り、小道具も綺麗に扱えと言われました。一流のものを勉強しろと食事に連れて行ってもらったりしました。京妙になって初の勉強会で『野崎村』お染をやった時、お嬢様の役だから駅からでもタクシーを使いなさいとタクシー代をくれました」京蔵「へぇ〜」

(5)勘定奉行のCMについて、京蔵「アルバイトのつもりではじめてもう19年になりましたから、そろそろ終わりでしょう。『盛綱陣屋』盛綱の拵えは、家紋がOBCになっているので、今度よくご覧になってください。師匠からはまだやっているのか、いい加減にしろと呆れられました」京妙「俳優祭でもやってますから、本役ですよ」との言葉に京蔵さんは大いに照れていました。

(6)後見の失敗談、京紫「『小猿七之助』の滝川で師匠に仕掛け草履を履かせるところを部屋草履のまま出してしまったことがあります。気が付いた時は舞台の高い所に登っていてどうにもならず、ただ平謝りでした。周囲の幹部役者が大変でしたねと言っているのに師匠は笑って応えるのみで、後でボソッと天ぷらそば頼んどけの一言でした」

(7)京蔵「『金閣寺』雪姫を縛る仕掛け縄が切れる失敗を二度もやって師匠に頭ごなしに怒らた。今度の五代目襲名では仕掛けにはしないつもり。81歳で演じた時屋台から跳んだ(落ちた)ことがあります。実は二日○○だったんですよ(笑)。幸いどこも怪我はありませんでした。お酒は強かったです。晴海通りの真ん中で寝てしまい、往生したことがあります」

(8)京紫「お酒は60の手習で、相手を潰す飲ませ上手でした。召集でラバウルに行っていたので暑さには強く、夏に日向ぼっこしていました。逆に冬に弱く、よく鼻風邪をひいていました」京妙「鼻につめるこよりを私がよく作ってましたよ」(子供の時お人形を作って遊んでいた京妙さんならではでしょうか?!)

(9)衣裳について、京妙「師匠自身センスがよいが、三人の弟子からヒントを貰いたがった。新作(?)で葡萄をあしらった季節感のある衣裳を提案したら、気に入ってもらえました」京蔵「『二人椀久』松山で今までにな片身替りのデザインを提案・新調したら、周囲には好評にもかかわらず、師匠は稽古の時不機嫌だったんですよ」

(10)京蔵「その衣裳での初日、師匠は「お前のために一ヶ月着てやるよ」と。やや素直じゃないんですよね(笑)。この衣裳、パリ公演のプログラムに掲載されました」三人「プロンプでセリフをつけると、「分かっているよ」という感じで素直に言わず少し変えたり、思い入れをしているような間をわざととるんですね」

(11)四代目の日常は、京妙「スタッフを大切にする感じのよい方です」ほらあの話をと話をふられて京紫「入門前の新人で巡業に出た時スタッフに厳しくされたことがあります。そんなある日そのスタッフからどこへ入門するんだい?と聞かれて、今度京屋に入門しますと答えたら、今まで失礼しました、と応対が一変したことがあります」京蔵「当時の巡業はバス移動でしたから、スタッフも一緒のバスの中では宿に着くまで大宴会でした」

(12)京蔵「とにかくスタッフには差別なく接して人気がありました。また楽屋での挨拶は必ず相手の目を見て挨拶しなさいと師匠から常々言われましたから、それを守って挨拶していたら、さる大幹部が「アイツ、俺に気があるのか」(笑)」

(13)五代目襲名の演目について、京妙「『鎌倉三代記』時姫はそれほど後見の仕事はありませんが、ある時どうも頭がスッキリしていると思ったらシケを忘れて出たことがあります」京蔵「床山さんも我々弟子も師匠もまったく気が付かなかったんですね。ところが舞台に出て姉さん被りを取ったら、あ〜っ、シケがない!舞台袖に入った時あわててつけた」

(14)舞台にかける執念、京妙「脚を痛めていたが、倒れても踊り抜くという執念があった。馬油を脚に塗っていたが、自分で塗るとヒリヒリするので私が塗っていた」京紫「『助六』で最後の揚巻を演じた時お手伝いさんが家では具合悪そうに寝てばかりいたので、旦那は大丈夫ですかと心配して電話をしてきたことがあります。劇場ではそんな気配はまったく見せなかったですから、知りませんでした」

(15)京蔵「『金閣寺』雪姫は四代目の襲名披露の時ご贔屓の方からの発案で、お祝いに桜の花びらを豪雪のように派手に降らすことをやったら旦那は大喜びで、それが続くことになったと聞いています。何しろ派手なことが好きな人でしたから。今度の襲名はそれほどは降らせないと思います」

(16)京蔵「五代目襲名の雪姫でも縄を扱う後見をするが、あれは演者の動きに合わせて調節しなければならないので、とても難しいです。縄も緩むので、毎日調整が必要です」京妙「倒れた雪姫を起こす後見が必要なんですが、ある時自分が旦那と一緒に寝たんですね。それが気に入られて、型みたいになったんです」

(17)京妙と京紫「雪姫の縄は立役の方が持ちやすいように後見もタイヤのように丸く輪にして渡す気遣いが必要です。旦那はたとえ後輩の立役でも自分の方から挨拶に出向く気遣いを続けました。濡れ場でも相手が演じやすいよう立てて、合わせていました。心から可愛い人でした」

(18)京妙「後見の失敗談。『鷺娘』でいつもと違う間で引き抜いたため、旦那を前に倒してしまったことがあります。すぐ起こしましたが、怒られました。『藤娘』で手拭いを渡し忘れたら、袂だけで手拭いがあるように踊って引っ込んできました。『京鹿子娘道成寺』で烏帽子の紐がとけず前に落ちない。旦那も焦り、なおさらとけないこともありました」

(19)京妙「巡業だとホールによっていろいろと舞台の条件が異なります。あるところで照明が上手く旦那の顔に当たっていなかったため、踊りながら顔が当たるところまでどんどん舞台の後方へ下がってきたのです。後見していた自分は長唄とお囃子の山台の間で挟まれないように体を躱すのに困りました」と実演を交えて。

(20)三人「『京鹿子娘道成寺』の舞台袖での早拵えは京屋が一番速い」と自慢げでした。京妙「その分眉をこう直してとかここを塗ってとか注文があってもすばやく対応できました」三人「京屋の楽屋は笑いが絶えないことでも有名でした」との話もありました。お弟子さんたちの仲の良さと師匠愛に溢れていました。

(21)素顔の三人は、京妙さんは素顔でも舞台のそのままの京妙さんです。京蔵さんはアクションと声色・話術に長けていました。京紫さんは旦那の形見のお着物を着て舞台同様しっとりとしている印象ですが、話すことはとても面白い。それぞれが個性豊かでしたが、こういう座談会でも息のあったよきチームワークを見せていただきました。

(22)質問コーナーでお休みの時の過し方が三人三様で面白かったですが、やはり他のお芝居を観て勉強されていることが多いようです。その他のお話は省きます。

(23)ただ最後に二月の歌舞伎座で京蔵さんが演じた『籠釣瓶花街酔醒』の女中お咲の話題についてだけはどうしても触れておきたいと思います。京蔵「歌女之丞さんや芝喜松さんに教えていただきましたが、幕切れで次郎左衛門に斬られるところがやはり難しいです」京妙「自分も演じたことがありますが、籠釣瓶は本身を使うから、大丈夫だった?」と京蔵さんに聞いていました。答えは大丈夫でしたとのことでしたが、不勉強ながらそのやり取りを聞いていて「え〜っ、舞台で本身を使っているのか?」とあらためて驚きました。本身なら銃刀法の問題があるからです。その点をツイートのお仲間の方が調べてくださいました。ありがとうございました。

猿三郎さんが次のブログ記事で詳しく解説してくださっています。たしかに本身を使っていました!播磨屋さんが得意とする演目が多いように思います。

「本身の凄み」 市川猿三郎 二輪草紙


このような企画はぜひともまた実現してほしいと思いその旨アンケートに記入して、大満足で帰宅しました。


歌舞伎美人にも「京屋の秘密」トークの記事がアップされています。 京妙、京蔵、京紫が明かした「京屋の秘密」 は、こちら。
【2016. 03. 01 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
七月大歌舞伎初日観劇と秀山祭の発表!
ブログは4カ月放置で申し訳ありません。関係している団体の仕事も三月から慌ただしく、先月後半からどうやら落ち着いてきました。

さて、昨日は七月大歌舞伎の初日を通して観劇してきました。



玉三郎、海老蔵に加えて猿之助、中車、獅童という人気役者が出演するとあってか、チケットは先行予約で完売となる状況でした。とりあえず昼の部の簡単な感想から。

昼の部、 『八犬伝』、芳流閣の立ち回りからがんどう返し、圓塚山のだんまりが見どころ。しかし、この出し方は本来原作からは逆であろう。梅玉を主役に据えた花形中心の混成チームによる舞台。いかにも間に合わせという印象。なかではさすがに梅玉の怪異さが大きく、梅丸の若衆ぶりが目を引く。

『切られ与三』、見染めから出しているのは丁寧で結構。だが海老の台詞は見染めではいささかわざとらしい。源氏店の名台詞はまずまずの及第である。猿弥の藤八は余人をもって替えがたい滑稽味がある。玉三郎のお富は花道の出でジワが来る美しさ!

源氏店も玉三郎の巧みさが際立つ。中車もこういう役だとなかなか立派。ただ、まだ台詞が歌舞伎に馴染んでいない。

『蜘蛛絲梓弦』は猿之助が六役早替わりで勤める。女形舞踊を堪能できるのが嬉しい。身体能力の高さ、キレ、どれをとっても素晴らしい!常に妖怪美があるのも猿之助ならではである。早替わり、そしてどこから出て、どこへ引っ込むかも楽しめる。舞台一面に蜘蛛の絲また絲である。海老蔵は押し戻す。

なお、秀山祭九月大歌舞伎の演目と配役が発表されていました。玉三郎、梅玉、染五郎、菊之助も出演する豪華なものです。夜の部に『伽羅先代萩』が通し狂言で出るのも嬉しいことです。

歌舞伎美人の秀山祭の公演情報は、こちら。
【2015. 07. 04 (土)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(0) | trackbacks(0) |
團菊祭五月大歌舞伎の演目と配役の発表!


昨日の三月大歌舞伎の初日を通して観劇してきました。『菅原伝授手習鑑』の通し上演です。仁左衛門演じる菅丞相は今考えうる最高水準の出来栄え。また中堅世代の役者が持てる力を存分に発揮して、素晴らしい舞台に仕上がっていたと思います。

なお、團菊祭五月大歌舞伎の演目と配役が発表になっていました。同時に歌舞伎美人にアップされています。歌舞伎美人は、こちら。

菊之助の摂州合邦辻の玉手御前、海老蔵の蛇柳が歌舞伎座にかかるのは感慨深いものがあります。新装開場後はじめてとなるめ組の喧嘩も勢揃いが楽しみです。

菊之助と言えば昨今立役に軸足を移しつつあるのですが、七月国立劇場の歌舞伎鑑賞教室で『義経千本桜』の渡海屋と大物浦の場を岳父吉右衛門の監修で主役の知盛を演じることが分かりました。国立劇場のサイトは、こちら。

玉手を演じる役者が知盛を演じるとは驚き以外の何物でもありませんが、ご本人の弁では弁慶や松王丸も演じたいようですから、播磨屋の藝の継承を目指してどこまで役柄を広げてゆくのか、当分目が離せません。
【2015. 03. 04 (水)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(4) | trackbacks(0) |
本HP「六条亭雑記」移転のお知らせ
2003年5月開設以来OCNのPageONサービスでお世話になってきた拙本HP「六条亭雑記」は、プロバイダーのサービスの終了にともない、下記のとおり新URLに移転しました。

「六条亭雑記」

http://rokujoutei.sakura.ne.jp/

最近はブログ、Twitterでの情報発信が中心でほとんど更新できていませんので、この際廃止すべきかどうかずいぶん迷ったのですが、ネット上の活動の原点であるとともに、少しは記録的な意味もあると思い、僭越ながらそのまま新しいURLに移転しました。

追々更新はいたすつもりですが、まずは引っ越し作業が無事完了いたしましたので、お知らせいたします。

JUGEMテーマ:日記・一般


【2015. 01. 21 (水)】 author : 六条亭
| お知らせ | comments(0) | trackbacks(0) |
パソコンの修理
大晦日は平穏に過ごせるはずだったが…(-.-;)。PCをちょっといじっていたら、操作中フッと画面が消えてしまう。メモリーとHDDは動いているのは確認できるのだが。一旦シャットダウンしたら、Windowsアップデートがなかなか終わらず、これまた不穏な動作。

同じような動きが何度も繰り返されるので、 業を煮やしてWindowsアップデートを強制的に終了させ、 直前の復元ポイントに戻る操作を実行。これまた画面が消える中を掻い潜って何度も試みてようやく完了。しかし画面が消える現象は変わらない。そこで外部入力に画面を切替えても同様に画面が20〜30秒で消えることが分かった。

これはどう考えてもディスプレイの故障。そこで元旦早々だが、購入家電量販店修理センターに連絡して修理依頼。親切に対応してもらうことができた。延長保証をつけてあるので、費用負担はほぼなさそう。しかしHDDに問題はないと思われるものの、万一の初期化に備えてバックアップはとっておかないといけない。幸い外付けのHDDにほぼ直近のものまでバックアップしてあるので、画面が消える状態ではおちおち操作もできず、結局腹を括って現況のまま修理に出すことにした。

元旦に染五郎の司会で放送した新春の伝統芸能の番組も実際の映像はほとんど観ることはできなかったが、録画はしっかりと動いていた。これもDiscに落とすことはとりあえず諦めた。3日に配送の集荷があって修理に出すことができた。しかし、こうしてPCがなくなってみると、テレビパソコンである(Blue-ray再生・録画機能付)から、修理期間中データの入力作業のみならず、映像と音楽関係がまったく視聴できないのだ。断捨離でパソコン一台に機能を集中させ過ぎた報いだろうか。

観劇の無い日は読書で過ごした。こういう静かな日々も悪くはない。しかしこれでTabletを持っていなければ、ネットからまったく遮断されてしまう。自分の生活がいかにネット上から情報を得て、またやり取りをしているかを痛感した。

修理は幸い 一週間で戻ってきた(^_^)/。ありがたや(*^^)v。やはりディスプレイのパックライトの故障で、HDDは問題なしだったとのこと。 非常に丁寧に梱包されたPCを取り出し、諸ケーブルを接続してセッテングする。電源オン、通常通りWindowsが起動した。異状なし。HDDも全ファイルともそのまま残っている。テレビ接続と受信、録画済番組の再生もまったく問題なし。Blue-rayの再生もまだ数枚だが、無事再生できた。ようやく元通りのPCライフに戻った(^^)v。

しかし、溜め込んだデータ入力の山が…(=_=)。

【2015. 01. 12 (月)】 author : 六条亭
| 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
本年もどうぞよろしくお願いいたします



明けましておめでとうございます!

本年も拙ブログならびにTwitterをどうぞよろしくお願いいたします。
【2015. 01. 01 (木)】 author : 六条亭
| 日記 | comments(10) | trackbacks(0) |
年末年始の歌舞伎関係の放送予定
今年の年末年始もEテレで歌舞伎関係の番組が多数放送予定です。歌舞伎美人に掲載の放送予定を下記します。歌舞伎美人ニュースは、こちら。

・12月26日(金)22:00〜23:00

にっぽんの芸能
今年の話題2014

三代目尾上左近襲名など、古典芸能に関する今年の話題を取り上げる。

・12月28日(日)21:30〜23:30

古典芸能への招待
京都南座顔見世大歌舞伎

演目:恋飛脚大和往来『新口村』
出演:中村梅玉 片岡秀太郎 片岡我當 ほか

演目:『仮名手本忠臣蔵』七段目 祗園一力茶屋の場
出演:片岡仁左衛門 中村七之助 中村壱太郎 中村勘九郎 ほか
(2014年12月 京都四條南座にて収録)

・1月1日(木・祝)13:00〜14:29

響宴!新春の伝統芸能

司会:市川染五郎

演目:舞踊『団子売』
出演:坂東巳之助 吾妻徳陽(中村壱太郎) ほか

演目:舞踊『雪の山中』
出演:市川染五郎 尾上紫 ほか

・1月2日(金)19:00〜21:30
こいつぁ春から

大阪松竹座と歌舞伎座を結んで初日の模様を生中継。
新橋演舞場「初春花形歌舞伎」、浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」の初日の模様も。

大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」舞台の模様を、中村鴈治郎のインタビューを交えて放送
演目:『封印切』
出演:翫雀改め中村鴈治郎 中村扇雀 片岡秀太郎 片岡我當 片岡仁左衛門 ほか

歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」舞台の模様を放送
演目:『黒塚』 ほか
出演:市川猿之助 市川門之助 市川寿猿 市川男女蔵 中村勘九郎 ほか

・1月9日(金)22:00〜22:58/16日(金)12:00〜12:58(再) 
にっぽんの芸能
初春歌舞伎三昧! 「素襖落」

演目:新歌舞伎十八番の内『素襖落』
出演:松本幸四郎 坂東彌十郎 坂東亀寿 松本錦吾 市川高麗蔵 市川左團次
(2014年6月 歌舞伎座にて収録)

・1月16日(金)22:00〜22:58/23日(金)12:00〜12:58(再) 
にっぽんの芸能
顔見世興行から「藤十郎の恋」

演目:玩辞楼十二曲の内『藤十郎の恋』
出演:中村扇雀 片岡孝太郎 片岡亀蔵 中村松江 上村吉弥 松本錦吾 ほか
(2014年12月 京都四條南座にて収録)

・1月25日(日)21:30〜23:30 
古典芸能への招待
歌舞伎「寿式三番叟」「勧進帳」

演目:『寿式三番叟』
出演:市川染五郎 尾上松緑 坂東亀寿 中村歌昇 中村米吉 片岡我當 ほか

演目:歌舞伎十八番の内『勧進帳』
出演:市川染五郎 中村吉右衛門 松本幸四郎 ほか
(2014年11月 歌舞伎座にて収録)

【2014. 12. 23 (火)】 author : 六条亭
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『義賢最期』『幻武蔵』『二人椀久』―十二月大歌舞伎昼の部の感想
『義賢最期』

愛之助はこの演目をお正月の浅草歌舞伎で上演したばかりです。昨年九月以来久々の歌舞伎座出演ですから、別の演目で観たいと思ったのも事実です。そうは言っても仁左衛門から教えられた義賢最期は安定した出来で、見応えがありました。なにより舞台全体に放たれるオーラがあり、華と大きさがありました。「戸板倒し」「仏倒し」など、激しい立廻りも見事でした。愛之助はもっと歌舞伎の、それも時代物の舞台を観たいものです。

梅枝の小万が情のあるなかにもキリリとしていて、愛之助を守り立てています。同年代の女形の中でも頭一つ抜けた存在になりつつあります。亀三郎の蔵人も容姿・口跡のよさ加えて柔らかさと品を醸し出しています。尾上右近も最近の充実ぶりがこの待宵姫でもよく発揮されています。若手中心の舞台ですが、笑也、猿弥も好助演です。

『幻武蔵』

森山治男作の新作歌舞伎。玉三郎が演出を兼ねています。たしかに天守物語と通底する幻想美と浄化はありますが、群像劇のようでもあり歌舞伎の演目というより新劇に近い印象を受けました。舞台装置も簡素と言えば簡素ですが、お金をかけていないチープさを、また廻り舞台を頻繁に廻すのもやや小うるさく感じました。

主役の獅童は拵えもあるでしょうが、意外にも剣豪役には似合わず、台詞回しも本人自身迷っているような中途半端なものでした。松也は立役と女形のどちらも演じられるので、もう一方の主役に相応しい存在感があって結構だと思いました。玉三郎が淀君の霊で出演しています。 児太郎の千姫がよい出来です。

『二人椀久』

玉三郎の傾城松山太夫がやはり天下一品!オペラグラスが釘付けに(^.^;。眼福、眼福!ただ初日ゆえか海老蔵の踊りに切れが不足していましたから、早間の部分がもう一つ弾みません。色気もさらにほしいところです。松山太夫の引っ込みはスッポンで。

それにしても劇場内が暗いままの演目が二つ続くのはいかがなものかと思いました。

【2014. 12. 07 (日)】 author : 六条亭
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通し狂言『雷神不動北山櫻』(毛抜、鳴神、不動)―十二月大歌舞伎夜の部の感想
海老蔵は通し狂言『雷神不動北山櫻』を数回出していますが、歌舞伎座では初の上演です。 そのためか今回の通し上演では序幕は今までの舞台と変えていて、『仮名手本忠臣蔵』の大序風にしています。自ら行っていた物語と登場人物を説明した口上は止めて、口上人形を使い、早雲王子は人形身です。

その狙いも当たりこの序幕は門之助、市川右近、愛之助などが揃い、荘重な出だし。天子の座を狙い奸計を企む早雲王子は公家悪の禍々しさがあってよい出来だと思いましたが、陰陽師安倍清行は外見は光源氏風にしても好色さを強調するあまりかややわざとらしさが感じられます。

「毛抜」に続く場面を含めて、「鳴神」「不動」の間をつなぐ場面も説明的で役者も仕どころが少く、観ていてもあまり面白いとは思えないのは変わりません。単に舞台転換と海老蔵の拵えの時間を稼ぐためとも言えましょう。しかし、それだけ「毛抜」「鳴神」が群を抜いて歌舞伎十八番らしい面白さがあると言えます。

「毛抜」
海老蔵の粂寺弾正は大らかさ、豪快さと稚気があって安心して観ていられます。以前に比べて高音部の台詞回しも安定してきています。ただやや大仰過ぎる部分があるのが欠点です。同様なことは獅童にも言えます。

誇張した演じ方が時として漫画的に見えてしまうのは再考の余地があるでしょう。毛抜は元々そういう要素があってよい狂言ではありますが、程というものがあると思います。市川右近の小野春道はニンにあっておらず、松也、児太郎も物足りません。笑三郎の巻絹はすっかりとこの人の持ち役で手堅く、尾上右近も最近の好調さを裏付ける出来でした。


「鳴神」
今回の通し上演の中では玉三郎が約28年ぶりに雲の絶間姫を演じたこともあって圧倒的に鳴神が良く、続いては毛抜です。不動は一種のショーですし、ネタバレしないよう書くことは控えます。

玉三郎の鳴神、雲の絶間姫を書くとなるとどうしても1987年お正月の国立劇場の舞台のことを書かざるを得ません。ここは暫く個人的な回想を書き連ねることをお許しいただきたい。

1987年お正月の国立劇場公演は同じ『雷神不動北山櫻』の通し上演でした。それは私にとって忘れられない舞台です!思えば初代辰之助の粂寺弾正であり、十七代目羽左衛門の不動明王という豪華版でした。鳴神上人と不動明王は本来二代目松緑が演じる予定だったはずが、体調不良により休演し、それぞれ代役がたった訳です。

しかし私はひたすら玉三郎を、絶間姫を観たかったのです!学生時代は時間だけはありましたから、好きな歌舞伎を多く観ていました。お知り合いから株主優待のチケットを頂いていそいそと通ったことも懐かしい想い出です。ただ、今思えば当時は楽しんでいたというより勉強の延長のような感じです。しかし、就職してからは高度成長期の時代、仕事も忙しいうえに、転勤・家族の病気・結婚等家庭にも追われ、歌舞伎観劇はお預け。

ですから、 観劇休止中に一躍女形のホープとして人気急上昇の玉三郎の生の舞台にはなかなか接する機会がなかったのです。四十歳を過ぎて仕事も安定し余裕が出てきたところへ、玉三郎の雲の絶間姫!これを見逃してはならじと観に行ったことが大袈裟に言えば私の人生の大転換となりました。鳴神上人以上に玉三郎の色香に迷ったのです。拙HPも拙ブログも誕生しなかったでしょう。

花道から出た玉三郎の絶間姫は儚げで、脆くも崩れそうな風情でした。だが自らの恋を語りながら上人を、観客を巧みに惹きつけてしまう。そして濃厚な濡れ場。清潔でありながら、ついには上人を落としてしまう色香があります。世話に砕けてからもポンポンとやり込めながら、酒に溺れさせてしまいます。しかし、その心底には上人を騙したことに対する申し訳ないという心根がありました。また富十郎の鳴神上人も荒事の基本をきっちりと押さえながら、破戒してゆく高僧を見事に演じていました。

滝壺に封じ込められた龍神を解き放つ絶間姫の姿の凛とした美しさ!結局私は玉三郎に女形の全ての美点を全身で感じ取ったのだと思います。その時今この女形を観ておかないと絶対後悔すると心に決めたのです。勿論まだ働き盛りであったから、全ての舞台を観る時間的余裕はなかったのですが、阿古屋初演など主要な役は追いかけました。

八ツ橋や揚巻でさらに少なくとも東京周辺での舞台の追いかけは加速しましたが、なぜか雲の絶間姫の再演はなかったのです。そこへ約28年ぶりの今回の海老蔵との共演。否が応でも期待は高まり、そしてその期待以上の満足感で満たされました。より大きく艶めかしい絶間姫が花道にいます!馴れ初めの語りも愛らしく、色っぽい!また濃厚さを増した濡れ場。上人に胸元へ手を入れられて見せる恍惚の表情は観ているものをゾクッとさせるに十分でした。

世話に砕けてからもも玉三郎が得意とする捨て台詞や呟きが効果的で上人を翻弄します。海老蔵も負けじと応酬するさまはまことに鳴神の面白さを堪能させてくれました。海老蔵は玉三郎と一緒の舞台ですとピリッと締まっているように感じられます。この鳴神を含む第三幕と大詰の一幕見だけでも一見の価値があります。これを観なければ絶対に損です!
【2014. 12. 05 (金)】 author : 六条亭
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長谷部浩『菊之助の礼儀』(新潮社)を読む


著者と菊之助との交友、対話録。著者が私的アドヴァイザーの立場で多くの菊之助の舞台に係わったことが分かる。『NINAGAWA 十二夜』もその大きな成果の一つ。

ここに書かれている数年は菊之助が意識して父菊五郎の後継者を目指して役柄を広げて来た時期。著者の著した『菊五郎の色気』で祖父梅幸がいかに子息に七代目を継がせようか腐心したエピソードがあるが、それを知って菊之助は音羽屋の跡継ぎとしての意識がよりたしかのものになった形跡がある。この数年の菊之助の演じた役は初役の多さも含めて、目次の外題を見ても女形は立女形、立役も世話物から時代物まで実に幅広く、目を瞠るばかりである。

しかもそのどれも確実な成果をあげてるのだが、決して満足せず更なる高みを目指して真摯に取り組む。この自制心を著者は「菊之助の礼儀」と呼ぶ。最近の意欲的な舞台の数々はまた新たな挑戦を期待させる。四十までには新作を、四十を過ぎたら弁慶を!には歌舞伎への愛がある。

菊之助に対して父菊五郎はある意味では本人の自発性に任せ、女形の大役を玉三郎の教えを請わせるなど要所を押さえた指導をしていることも見逃せない。播磨屋を岳父としてその藝をも吸収しようとしている菊之助の今、そして今後を語るには本書は欠かせない本であろう。
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【2014. 11. 29 (土)】 author : 六条亭
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