東映時代劇を取り上げた
この記事について、
さちぎくさまから詳しいコメントを頂戴したのに触発されて、懐かしい昭和30年代の外国テレビ映画について、書いてみたい。
昭和30年代の外国テレビ映画
普通の家庭にテレビが本格的に入って来て、茶の間の主役になったのは昭和30年代である。ちょうど自分が中学生から高校生の多感な時期であるから、勉強もそっちのけで、テレビにかじりついた典型的なテレビっ子になったが、その中でも時代劇と並んで、熱中して見たのが西部劇やアクション物などを中心とした外国テレビ映画である。上記リンクのサイトのお蔭で当時の記憶がだいぶ蘇えって来た。
これは当時NETテレビ(今のテレビ朝日)系列などが自社制作のドラマに比べて、廉くて確実に視聴率が獲得できる一時間の外国テレビ映画の放送に力を入れたことによろうが、たしかに質が高いものが多かった。また、放送では日本語吹き替え、つまりアテレコを採用したことも老若男女が楽しめた大きな要因であったろう。当時「あの外人さんは、ずいぶん日本語がうまいね」とテレビを見た老人が言った、という笑い話があったように覚えているが、それほどアテレコは自然で、うまかったと思う。久松保夫や園井啓介などの俳優や、声の魅力で引っ張りだこだった若山弦蔵などのアテレコ起用も当たった。
毎日ゴールデン・タイムに看板番組として、これらの映画が放送されたので、時期が多少前後するが、たしか次のように毎日観ていたはずである。
・月曜日 『ボナンザ』『シャイアン』
・火曜日 『アンタッチャブル』
・水曜日 『マーベリック』
・木曜日 『ララミー牧場』
・金曜日 『ベン・ケーシー』
・土曜日 『サーフサイド6』『ローハイド』
・日曜日 『サンセット77』
この中でも、とりわけララミー牧場は淀川長治の例の「サヨナラ、サヨナラ」の解説もあって、主役ジェフのロバート・フラーは国民的な人気者になった。しかし、自分の一番のお気に入りは、禁酒法時代のFBIのエリオット・ネスを主役にした『アンタッチャブル』と今BS2で再放送されている
『ローハイド』であった。前者は、言わばアメリカ版鬼平犯科帳のようなもので、沈着冷静なネス隊長を演じたロバート・スタックが、日下武史の低音の利いた吹き替えとともにまさにかっこよかった。後者は、フェーバー隊長(声:小林修)の魅力もさることながら、若い副隊長のロディ・イェイツのクリント・イーストウッド(声:山田康雄)が新鮮だった。しかし、まさかその後マカロニ・ウェスタンを経て、世界的な大スター兼監督にまでなるとは予想できなかった。
他に『名犬ラッシー』やこれも若きスティーブ・マックイーンが観られた『拳銃無宿』もあり、外国テレビ映画の思い出はつきない。