徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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「吉野山」「川連法眼館」−『義経千本桜』十月大歌舞伎夜の部の感想(その二)
簡単ながら、三日に観劇した「吉野山」「川連法眼館」の感想。菊五郎は二年前の平成19年3月の『義経千本桜』の通し上演の時、「鳥居前」から通して忠信を演じている。今回は菊之助の静御前とのコンビである。

菊五郎の狐忠信は、もちろん音羽屋型であるから、目だって派手な動きを見せるわけではない。「川連法眼館」で欄間抜けや宙乗りのようなケレンも無い。それでも菊五郎の年齢を考えるとその動きはなかなか厳しい部分もある。しかし、前半の踊りを含めて菊五郎の狐忠信の特徴を一言で言えば、非常に温かいものであることだ。それは何よりも親狐である初音の鼓に対する情愛が色濃く出ているのがいいのである。藝の力、円熟であろう。対して菊之助は凛とした佇まいの静御前である。女形としてまさに時分の花の美しさ!

「吉野山」は、二人のからみが主従でありながら、微妙な男女関係も表現している。有名な女雛・男雛は好一対である。戦物語は菊五郎の独擅場であり、勇壮このうえない。逸見藤太は松緑。最近の松緑はこのような半道敵も力を抜いて軽妙に踊り、柔らかさが十分である。

「川連法眼館」は、川連法眼(彦三郎)と法眼妻飛鳥(秀調)の部分が時間の関係か、かなりカットがあり、付け足しのようで物足りない。義経は時蔵。時蔵の女形の役と同様自ずと気品が備わっている。このような立役を観ると、私は時蔵の立役をもっと観てみたい気がする。菊五郎は本物の佐藤忠信ではきりりとした武将、狐忠信は親狐を慕う子狐と対比が明確である。亀井六郎(権十郎)と駿河次郎(團蔵)はもったいないほど贅沢な配役。申し分ないものである。

『義経千本桜』のみの夜の部、是非とも多くの方々に観ていただきたいものである。

【2009. 10. 13 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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この記事に関するコメント
六条亭さま
こんにちは。
10日に夜の部の観劇をしました。

前半はまさに六条亭さまのコメントどおり、とても見ごたえがありました。幕が降りてからの弁慶のほら貝の響きは平家への鎮魂のみならず、義経主従の運命をも暗示していて切なく、忘れられない舞台となりました。

「吉野山」では、菊之助さん演じる静御前は義経を慕う可憐さ、忠信を問いただす時のたおやかさのどちらも好ましく、輝いていました。菊五郎さんの狐忠信は鼓に頬を寄せる仕草など、親を思う情愛にあふれ、泣けました。いずれ菊之助さんも忠信を演じるのでしょうが、菊五郎さんの芸がこうして受け継がれていくと思うと今から楽しみです。

『義経千本桜』に限りませんが、歌舞伎は通しで見るといっそう楽しめるものと感じました。

| Mickey | 2009/10/15 6:06 PM |
> Mickey さま

夜の部観劇のご感想、ありがとうございますm(__)m。

前半の「渡海屋」「大物浦」は拙感想記事に止まらず、観劇された方の感想では皆さまの心に残る名舞台だったのではないと思います。

後半の「吉野山」「川連法眼館」は、菊五郎さんと菊之助さん親子の共演がまず何よりもよかったです。お二人ともとても情の厚い舞台です。おっしゃるようにいずれ菊之助さんが忠信を演じる時が来るのでしょうね。そのための藝の継承という意味でも意義あるものでした。

この夜の部、あまりに素晴らしいものですから、千穐楽のチケットを持っているにもかかわらず、今週末の分を買い足してしまいました(^_^;)。
| 六条亭 | 2009/10/15 9:47 PM |
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