徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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藤沢周平『隠し剣孤影抄』 (文春文庫)を読む
評価:
藤沢 周平
文藝春秋
¥ 620
(2004-06)
Amazonランキング: 6236位
Amazonおすすめ度:
藤沢周平の隠し剣シリーズの連作短編集である。従来の剣客小説とは一味も二味も異なる味わいがある作品ばかりである。隠し剣、つまり外に漏らさない秘剣なのであるが、全八篇が収められた本集でもその秘剣も「邪剣龍尾返し」、「臆病剣松風」や「女人剣さざ波」など題名からして絶妙で、興味をそそられるものばかりである。山田洋次監督で映画化された「隠し剣鬼ノ爪」もある。

作者が作り上げた架空の藩「海坂藩」を舞台に陰謀や愛欲が渦巻く中で、これらの秘剣が使われるけれども、主人公たちは剣豪ではなく一介の藩士、しかも下級の藩士や部屋住みが多い。しかもうだつがあがらない者もいる。例えば「臆病剣松風」の瓜生新兵衛は、藩主の護衛を命じられると、震え上がって一度は断ってしまう臆病者である。しかし、「二人の剣客の攻撃にさらされて、右に左によろめくように動いていたが、よくみると、斬り合いがはじまった場所から、一歩も退いていないのであった」「そしてその間に、新兵衛の腰は次第に粘りつくように座り、背は強靭な構えをみせはじめた」。ついには剣客たちを斬り伏せた新兵衛の秘剣を師匠の息子が言う。「あれが松風です。松の枝が風を受けて鳴るように、相手の剣気を受けて冴えを増す。瓜生の剣は、よく秘伝を伝えております」。

この一篇を読んでも作者の文章が簡潔ながら、的確で達意の名文であることが分かるであろう。しかも独特のユーモアが漂う。「女人剣さざ波」は、それが女主人公の活躍でさらに精彩をます。続けて続編『隠し剣秋風抄』も読みたくなった。

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【2008. 03. 18 (火)】 author : 六条亭
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