徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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映画『山桜』を観る
藤沢周平原作の短編小説の映画化である。先日書いた『海坂藩大全(上下)』にも収録されているものであるが、この映画はまことに藤沢周平の世界をほぼ原作通り忠実に再現していて見事である。

大きな山桜をはじめ雪国の瑞々しい自然を背景に、嫁ぎ先が武家にもかかわらず高利貸をし、時の権力者にすりよってばかりいる冷たい家に馴染めないでいる女主人公野江が、叔母の墓参の帰りにふと出会った相手が、以前縁談を申し込まれた相手であり、今も自分の身を気遣っていることを知り、心がなごみ、揺れ動く。芯の強さを秘めながらも自分の生き方を模索する野江を田中麗奈が好演。相手役の東山紀之も、少ない台詞を静と動の演技で補い、見せる。

助演陣では、富司純子がさすがの大きさ。ほんの僅かの登場シーンで一気に主役を食ってしまうほどである。躊躇った末に野江が訪ねて来た時に、「私はいつか貴女がこうして訪ねてくれるのを待っていたのよ」、の一言で野江の頬に涙がこぼれる。観客も野江が回り道をしたが、やっと幸せをつかもうとしていることが納得できるのである。他に篠田三郎、檀ふみの両親が暖かく野江を見守る視線が心地よい。

映画「山桜」公式サイト

原作は、こちらの短編集(『時雨みち』)に収録されている。

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【2008. 06. 06 (金)】 author : 六条亭
| 映画 | comments(4) | trackbacks(0) |
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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この記事に関するコメント
六条亭さま

富司純子ファンとしては、絶対に観たい作品です。

遅ればせながら気がつきましたが、わたしは、藤沢周平さんの作品を、よく山本周五郎さんのと勘違いしてしまいます。
単なる物知らずというか、アホです。(*^^*)ヾ
| まるこ | 2008/06/07 8:00 AM |
> まるこ さま

そうですね、富司純子ファンには必見の映画です。登場する場面は少ないですが。

山本周五郎さんと藤沢周平さんは、武家ものや市井ものなど取り上げている世界は共通の部分が多いですね。でも藤沢周平さんの海坂藩のモデルの地方は、まるこさまのお隣の県ですね。
| 六条亭 | 2008/06/07 10:00 PM |
六条亭さま

私も先週、新宿タイムズスクエアへ「山桜」を見に行きました。しみじみと心に沁みる良い作品でした。六条亭さまの仰るとおり、冨司純子さんが秀逸でしたね。
帰宅してすぐに、原作を読み直しました。最後の野江が弥一郎の母上を訪ねていくところのせりふはほぼ原作どおりなのですね。映画でも良いシーンでした。
月曜日の一回目の上映にもかかわらず、ほぼ満席でした。ほとんどが私よりも年上とお見受けする観客でした。きっと、皆さん藤沢ファンなのでしょうと思いながら、一緒に泣いてきました。
| シンシア | 2008/06/09 5:32 PM |
> シンシア さま

同じ劇場でご覧になったようですね。私も一回目の上映時間でしたが、やはりほぼ満席で、しかも高年齢の方が多かったように思います。

本当にしみじみとした上質の藤沢作品の映画化でしたね。台詞もポイントのところは原作そのままでした。ですから、ラスト近くの冨司純子さんの台詞が観客も泣かせるのでしょうね。
| 六条亭 | 2008/06/09 10:06 PM |
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