徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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團十郎の病床からのメッセージ
今さら書くのもやや遅きに失した感のある市川團十郎の病気再発による半年の休養のこと。29日に都内の病院に入院したご本人からのファンに向けてのメッセージが成田屋公式HPに掲載された。病床で自らキーボードを叩いたメッセージで、現在の心境が克明に伝わってくる。

昨年五月の海老蔵襲名興行中に倒れ入院した時は、病名が病名だっただけに大変心配だったのだが、治療の甲斐あってパリ公演から無事舞台に復帰していた。

今年に入ってから、『御所五郎蔵』や『毛抜』などの元気な舞台を観て、「病気ですべてをリセットしました」とご本人が言った通り、何かまた一回り役者振りが大きくなったように感じていた。それだけに今回の再発も心配はあるものの、前回同様治療に専念してもらえれば、きっと回復すると思うので、この際十分に休養し完全治癒してから、また舞台に戻ってきて欲しいと切に願う。

海老蔵襲名の巡業公演の『お祭』は海老蔵が代役を務める。また十一月の国立劇場『絵本太功記』の通しも楽しみにしていたのであるが、休演に伴い橋之助の代役も含めて、配役の変更が発表された。

(9月5日追記)上記メッセージは入院日記として随時更新されるようである。一覧はこちら
【2005. 08. 31 (水)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(5) | trackbacks(0) |
J・S・バッハの新発見作品の初録音発売
J・E・ガーディナーが『バッハ・カンタータ巡礼』と題して、ゆかりの地の教会で手兵のイングリッシュ・バロック・ソロイスツ&モンテヴェルディ合唱団との演奏を続けながら、並行して全曲録音を進めているシリーズは、ドイツグラモフォン(アルヒーフ)での発売が一頓挫したが、ガーディナー自身の意思でモンテヴェルディ・プロダクションズを立ち上げて、自主レーベル「ソリ・デオ・グローリア」から続編が幸いにもリリースされはじめたことは、本HPの日記に以前書いたことがある。既に第1集、第8集、第24集の3セット(それぞれ2枚組)が発売済である。そのどれもがバッハのカンタータの美しさと親しみやすさを感じさせる演奏ばかりである。

今回その中でも注目される新録音が発売される。新発見作品の初録音『すべては神とともにあり』である。最近偶然にも発見されたバッハの自筆譜がこの曲であり、早くもガーディナーの演奏で聴くことが出来るのは大変嬉しいことである。なお、同時にカンタータ巡礼の第10集も発売されるから、楽しみが増えるというものである。急いで予約しなくては…(^_^;)。
【2005. 08. 30 (火)】 author : 六条亭
| クラシック音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
納涼歌舞伎千穐楽第二部・第三部の簡単な感想
一昨日は信州まで遠出して(と言っても、友人の車に乗せてもらった快適なドライブで、帰りは温泉入浴までしてきた)、帰宅したのが、午後11時半近く。それでもあまり疲れは感ぜず、昨日は早起きしてから早々に仕度して銀座に向かう。

前の夜に第三部を観劇された方、今日同じ第二部・第三部を観劇されるお仲間の方とブランチをしながら、ゆっくりと好きな芝居や役者談義で花を咲かせて、楽しいひと時を過ごす。気が付いたら第二部の開幕にちょうど良い時間になっていたので、歌舞伎座に向かう。楽日はいつもながら今日で最後だという独特な雰囲気がある。ましてや『法界坊』が最後に控えているから、中村屋の楽日はきっと何かあるとの期待はいやがうえにも高まろうというもの。今日はすべて三階席からの観劇。5列目だから後ろは通路で、少し前傾姿勢になってオペラグラスで舞台を観ても、後部座席の観客の方に気兼ねをする必要がないのがいい。

さて、肝心な感想は簡単に以下に書いておく。いつもの観劇記は追って本HPに追加更新したい。

第二部の『伊勢音頭恋寝刃』は先日の幕見に続いて二度目。三津五郎は、「ぴんとこな」と言われる、きりりとした強さを持った和事の二枚目である福岡貢を初役とは思えないような鮮やかさで演じていた。この役は元は武士だから、ただの男の色気だけではないシンの強さが求められるが、まことに過不足無い理想の貢。筋書きでは音羽屋型と書かれていたが、観た限りでは少し違い、独自の工夫があるようだった。一つ一つの見得がすっきりと決まっていて、大変綺麗である。だから、奥庭の場の凄惨な殺しの場面でも、いくつかある見得の美しさが際立って印象的だった。

対する勘三郎の万野は中年の仲居のいやらしさと意地悪さがよく出ていた。恋人の遊女お紺に会おうと油屋にいようとする貢をすげなくあしらい、代わりの遊女を呼ぶことを強引に勧めて、貢がしぶしぶ納得するとがらりと態度を変えるところなど、さすがに見事なものである。福助のお紺は愛想尽かしにもう少し強さがあれば、折紙(鑑定書)を手に入れるための心無いものであることがなおさら明確になったように思うが、姿の美しさも含めていい出来である。弥十郎のお鹿は、道化役だがうぶで純情な遊女を可愛らしく演じていた。この人の役の幅広さは貴重である。橋之助の料理人喜助、七之助のお岸ともに、よく持ち味が出ていて、この舞台は大変厚みがあった。

舞踊『蝶の道行』は、久しぶりに生の舞台を観たが、あらためて竹本の浄瑠璃が名曲だと思った。武智鉄二演出・川口秀子振付は最初に観た時は、とても前衛的でこれが歌舞伎かと思った記憶があるけれども、今観直すと既に古典的でありながら、かつ新しさも持続しえている。染五郎の助国・孝太郎の小槙が美しい一対の蝶となって飛び交う舞踊は、我々観客も夢幻の世界を彷徨うような錯覚すら覚えさせる。

『京人形』は、左甚五郎がの魂をこめて作った人形が、動き出す一種のメルヘン。扇雀の京人形が、人形振り、ごつごつした男の動き、そして優美な花魁の動きを踊り分けるのが一番の見所である。橋之助の甚五郎も爽やかな男振りで、これは短いながらも芝居としても舞踊としても楽しめた贅沢な演目だった。

第三部『法界坊』。細部の小ネタは変わっている部分もあるが、大筋は初見と変わらない。役者の動きがさらによくなっているから、笑いが笑いを呼ぶ。目玉の一つの宙乗りは、三階席で観るとまた違った迫力があり、法界坊と野分姫の合体霊の恐ろしさが強烈である。

多くの歌舞伎系Blogの方々がいたようだから、重複するけれどもカーテンコール&スタオベの千穐楽ヴァージョンについては、やはり書いておきたい。舞台上にしつらえられた中村座の観客席(羅漢台)に観客の人形が数多く置かれている。ところがこの人形のなかに実は人形に化けた役者が混じっていたという仕掛けは劇評家の方も騙されたもので、分かっていてもやはり面白い演出である。大詰で観客の拍手にあわせてこの人形も動くのだが、この日はどうも役者が入っている人形が多くいて、さかんに拍手をしている。幕が閉まっても鳴り止まぬ拍手にカーテンコールがあり、勘三郎はじめ主だった役者が登場したが、羅漢台の人形に扮している役者にも降りてきてくれ、と合図している。降りてきた役者がマスクを取ると、上手の人形にはなんと弥十郎と芝のぶ、下手は亀蔵がいた。そして、羅漢台から最後に転げ落ちるように降りてきた人形は、演出の串田和美氏だった!これは少なくとも勘三郎には知らされていなかったようだった。串田氏はこの人形の仕掛けに最後は自分まで登場させる演出をして、あっと言わせたのである。

それから舞台が暗くなると、三階席にいると宙乗りのワイヤーの音がよく聞こえるから、宙乗りで何か出てくると思って小屋を注視していたら、串田氏自作の法界坊人形が登場、花道に下ろされて、勘三郎に手渡された。勘三郎は自分の子供のように愛しそうに抱いていたのが印象的。一旦幕が閉まっても拍手はまだ鳴り止まないので、再度のカーテンコール!勘三郎が御礼の挨拶と来年の納涼歌舞伎は勘三郎襲名の地方巡業のため出演できない(三津五郎が中心?)旨の話があった。串田氏も勘三郎に促されて、恥ずかしそうに一言挨拶した。例の事件以来カーテンコールには出てこなかった七之助が化粧を落とした浴衣姿で出ていたが、ビデオカメラを持っていたのには笑わされた。

熱い興奮のうちに納涼歌舞伎の千穐楽も終わり、急に夏が終わってしまったような感じがした。お仲間の方と軽く一杯打ち上げをした後外へ出てみると、心なしか暑さも和らいでいたような気がする。
【2005. 08. 29 (月)】 author : 六条亭
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納涼歌舞伎千穐楽観劇
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今日は第二部に引き続き第三部の観劇です。第二部も蝶の道行や京人形が華やかな舞踊で楽しめました。
初日に比べて日の暮れるのが早くなり、歌舞伎座もライトアップしています。
【2005. 08. 28 (日)】 author : 六条亭
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今日は長野に来ています
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自分の理想の木の家を長野に作って引っ越した会社の先輩を、友人たちと訪ねて来ました。白馬岳や鹿島槍ケ岳の眺めも素晴らしい場所にあり、風も爽やかです。木の匂いも心地よく、写真の据え付け暖炉も素敵です。
【2005. 08. 27 (土)】 author : 六条亭
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つくばエクスプレス(TX)の開業
つくばエクスプレス

24日に開業した「つくばエクスプレス」(TX)の秋葉原駅に今日昼休みを利用して、行ってみた。地下駅と聞いていたのだが、最初はどこが入口か分からず少しうろうろ。JR秋葉原駅総武線ホームの真ん中に新しく大きな中央口が出来ていて、その傍から地下に降りる。開業人気もあるだろうが、相当混雑していた。だが、改札口が小さく、券売機も少ないことにも原因がありそうである。改札口を入ると、最近の新線の例に漏れず、地下何階だか分からないくらい深く降りて行く。

ホームは1面の島式ホームで、安全のための可動式のさくがあるが、意外と狭い。入線している車輌はご自慢の最新鋭のもので、最高時速130キロで秋葉原とつくば間を最短45分で結ぶという。そのまま乗って行ってしまいたい衝動にかられるが、今日はガマンして後日を期す。ホームの先端部も写真が撮れるようなスペースがないので、上記写真はポスターから。
【2005. 08. 26 (金)】 author : 六条亭
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第12回演劇人祭のテレビ放送予定
今日から夏休み明けで、さぁ〜少しは真面目に仕事を!?と思ったら、台風の上陸の恐れから、交通機関に影響が出ないうちに、早く帰宅せよとの事務所の指示。何か拍子抜けしてしまったが、少々得をした気分。今のところ、時々強い雨が断続的に降る程度だが、今夜半から風雨とも強くなるのだろうか?

早帰りのお蔭で、書店に立ち寄り、月刊テレビガイド誌で8月2日に行われた第12回演劇人祭が早くも、テレビ放送される予定を見つけた。

○ 9月25日(日)NHK教育テレビ 『劇場への招待』 22時〜24時15分

祝典芸能のうちから、宝塚、新派の滝の白糸の水芸などに加えて、当ブログの一番の関心事である歌舞伎は、『時雨西行』『三社祭』の演目が出ていた。まだ先の放送だから予定が変わるかもしれないが、『時雨西行』は福助と橋之助、『三社祭』は勘三郎と三津五郎の舞踊らしいから、当日の舞台がそのまま放送されることを期待したい。
【2005. 08. 25 (木)】 author : 六条亭
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藤沢周平『用心棒日月抄』を読むー夏休みに読んだ本
夏休み最終日。さすがに今日は遠出は控えて、図書館との往復のみ。リクエストしていた宮部みゆきの最新刊『孤宿の人』(上下)がようやく届いた。新境地を拓く時代小説として評判が高いから、待ち望んでいたもの。早速読み始めた。

しかし、図書館のリクエスト本は、得てしてそうなるのだが、来ない時はまったくと言っていいほど無いが、来る時に限ってまとまってドカドカと大冊が来てしまう。若桑みどり『クアトロ・ラガッツィ』(集英社)もその一冊。天正少年使節と世界帝国との副題があるこの本は、天正少年使節を通じて、当時の世界と日本の関わりを豊富な史料に基づいて描いた歴史大作。二段組で500ページ以上あるから、はたして借り出し期間内に読めるだろうか?

この休み中に読んだ本について簡単に触れる。

○ 藤沢周平『用心棒日月抄』(新潮社)
これは再読だったが、あらためてこの作家の代表作だと思った。お家騒動から脱藩した主人公青江又八郎が、江戸の市井のなかで妾宅の飼い犬や大店の娘の用心棒など用心棒稼業をするうちに、知らず知らずに赤穂浪士の討ち入りに絡むようになる。口入屋相模屋の狸のような主人吉蔵や用心棒の同僚の細谷源太夫などもユーモラスに描かれていて、楽しい。海坂藩ものであるとともに、江戸庶民の生活も活写されている市井物で、しかも赤穂浪士異聞であるという、この一冊で時代小説のいろいろな面が味わえる贅沢なものである。

○ 山下史路『ヴェネーツィアと芸術家たち』(文春新書)
ヴェネーツィア(作者の表記)は、塩野七生の大作『海の都の物語』(新潮社)で、地中海の女王と言われた絢爛たる歴史を堪能できるが、この最新刊の新書は、モーツアルト、ワーグナー、ゲーテ、スタンダールなど多くの芸術家を魅了したこの街の魅力を、実際に歩きながらイタリアの歴史とともにその芸術家との深い関わり合いの秘密を解き明かしてくれる。ますますヴェネーツィアが好きになり、是非一度行ってみたくなる。
【2005. 08. 24 (水)】 author : 六条亭
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映画『スターウォーズ3』を観る
夏休みの二日目。意外に早起きしたので、銀座まで出かけて待望の『スターウォーズ エピソード3』を鑑賞。第1作のエピソード4から、公開ごとに映画館に通い、テレビでの放映も何回も観たシリーズ。20数年を経て、この6作目のシリーズ完結編を観ることが出来るとは、感慨無量である。だから最初のテーマミュージックからワクワクして、画面に惹き付けられているうちにあっという間に終わってしまった。もっと観ていたという気を起こさせたが、とにかくもう大満足。

その勢いで、そのまま歌舞伎座の一幕見に行くという自分でも訳の分からないような支離滅裂な行動を取る(^^ゞ。しかし、12時20分頃着いたら、お目当ての第一部『雨乞狐』などは、惜しくも満員札止めで入場かなわず。そこで方針変更して、第二部の『伊勢音頭恋寝刃』に並ぶ。待っている間、いやに蒸し暑いと思ったら、第一部の終演間際に激しい俄か雨が降ってきた。きっと勘太郎の狐の雨乞いの念力が強かったためであろう。『伊勢音頭恋寝刃』の感想は後日。

さて肝心の『スターウォーズ エピソード3』は、とにかくエピソード4につながるのだから、粗筋は分かっていたが、これほど面白いとは思わなかった。アナキンがどうしてダース・ベーダーになったのか?という疑問は愛するパドメのためであり、パルパティーン議長が実はシスの親玉で、皇帝だったとは驚きの展開だった。以前からあの皇帝の正体は謎に包まれていたから、この3ですっきりと解消された。

ライトセイバーを使ったオビ=ワン対アナキン、皇帝対ヨーダの戦いを交互に見せるのも手に汗握る。そして、傷ついたアナキンのダース・ベーダーとしての再生とパドメが命を落としながらも双子のルークとレイアを産むシーンが、これまた交互に映るのも不覚にも涙しそうになるほど感動的だった。
【2005. 08. 23 (火)】 author : 六条亭
| 映画 | comments(2) | trackbacks(0) |
昨夜の稚魚の会A班観劇の簡単な感想
今日から特別休暇の夏休みを消化するために、半ば強引に休みを取った。それでゆっくりとしていたら、昨夜稚魚の会観劇でお会いしたブログの方々はもう感想をアップしている!出遅れた〜(^_^;、と慌てて更新するので、雑な感想になることをお断りしておきたい。

席はかぶりつきという願っても無い良いところだったので、若手役者の皆さんの熱演の汗が今にも飛んできそうだった。

『寿曽我対面』は祝祭的な意味合いを持つ演目だから、歌舞伎の様式美が味わえれば良い。鴈成の十郎の柔らか味、錦次の五郎の力強さはなかなかであった。京三郎の舞鶴も容姿・演技とも古典的な味があり、捨て難い。

『連獅子』は、新七・國矢の二人が白熱の踊りを見せて、熱い舞台となっていたから、この日一番の盛大な拍手が観客席から続いた。
宗論も、新蔵・吉二郎の二人が達者な踊りで、会場を沸かせていた。

『本朝廿四考』から、『十種香』『狐火』の二場が続けて上演された。『十種香』は京紫の八重垣姫が見た目の美しさのみではなく、勝頼を思う女心が良く出ていた。梅之の勝頼は動きの少ない難しい役だが、武将の品格があった。徳松の濡衣も手堅い。

『狐火』は、さすがに京妙の八重垣姫に一日の長があり、舞台全体が華やかで、踊りも絃にのって綺麗だった。大向うの掛け声も一番多かったように思う。それにしても雀右衛門の京屋一門には女形の人材が豊富である。

『お祭』は竜之介の鳶頭と翔太の芸者二人によるヴァージョン。勉強会の最後を飾るに相応しい、粋で清々しいものだった。

これからの歌舞伎界を担う若手のこのような勉強の発表の場は貴重であり、これからも是非続けて欲しい。
【2005. 08. 22 (月)】 author : 六条亭
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