徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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e-onkyo music store
先日新聞で記事を見かけたネット上の音楽配信サービスをのぞいてみた。クラシック音楽とジャズの高品質音楽配信が売り物である。

e-onkyo music store

通常のCDが16ビットに対して、24ビットをうたい文句にするだけあって、一聴するのみで、たしかにPCで聴いても格段に音が良い。だが、ダウンロードに時間もかかるようであるうえ(これはまあ我慢できるとしても)、値段もかなりのものである。しかも、現時点ではポータブル・プレイヤー等に転送できる機種がなく、PCのメディア・プレイヤーで聴くしかないようである。これでは使い勝手も悪い。もう少し様子見である。

それよりも、過去のオープンやカセットでFMエアチェックした録音のデジタル保存をそろそろ真面目に考えないと、折角の録音が劣化が進むばかりで、心配である。
【2006. 06. 28 (水)】 author : 六条亭
| クラシック音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
勘太郎が怪我で休演の続報
勘太郎休演の情報は、松竹の下記のサイトにご本人のお詫びの言葉とともに、襲名披露巡業公演の『本朝廿四孝 十種香』『すし屋』の代役が発表されていた。なお、正しくは、21日に傷め、22日から休演していたとのご指摘を前記事のコメントで頂戴した。

東・西コース十八代目中村勘三郎襲名披露興行

また拙ブログをお読みいただいたあ〜みさまから、勘太郎休演後の博多座観劇時の詳細な様子を昨日メールで頂戴しました。突発的な休演にもかかわらず、観客の方言交じりの温かい掛け声などが手に取るように分かる素晴らしいものですので、あ〜みさまご本人のご了解をいただいて、以下に原文を転載いたします(一部、改行、省略)。あ〜みさま、ありがとうございましたm(__)m。

25日の夜の部、26日の昼の部、博多座の舞台を楽しんで参りました。帰宅後、ネットをウロウロとしておりましたところです。松竹のページにお詫び、が出ていましたね。7月いっぱい、休演のようです。わたしも、しっかり休演してちゃんと直して欲しいと思っています。

まず、25日のことから。少し早めに博多座入り。いつになくあちこちウロウロと見ていたら、勘太郎急病につき休演の張り紙が!早速、若鶴会の番頭さんに尋ねてみると雨乞狐で靭帯を痛めたとのお話、それほどでもないが、大事をとって、とのお話にちょっと安心。どうぞお大事に、と伝え夜の部観劇。この時は、勘太郎さんは博多に居るのかな、と思っていたのですが・・・。

口上で勘三郎さんから、詳しいお話がありました。雨乞狐で靭帯を痛め、三日前から休演しているとのこと。本人は出たがっているが、先が長いのだから、大事をとるようにと、ドクターストップがかかり本人は東京に帰し、28日と、おっしゃっていたかと思いますが内視鏡を入れ検査。その後、手術をするかどうか、決定するということでした。
 
「誠に申し訳がございません」との勘三郎さんの挨拶に上の方の席から「気にせんでよか〜」の声。「雨乞狐は七之助と私で踊りますが、七之助は初めて、わたしも以前に一度踊ったきりで」と、話せば「だいじょうぶ、だいじょう」と女性の声。そして、「昼の部の連獅子は二人で踊りますが、またいつかきっと三人で踊らさせていただきます」と言えば、「待っとるけんね〜」と。なんと、温かい言葉。舞台も客席もひとつになって勘太郎くんの全快を祈っている、温かなな口上でした。

そして今日26日。昼の部は特に挨拶はなかったのですが、連獅子に、感激しました。

前ジテ、狂言師の部分。二人で踊っていても勘三郎さん、七之助さんのお二人の心の中では三人で踊っている、そう見えました。特に、親獅子が子獅子を谷底に落とすところ、這い上がってきた、子獅子と親獅子が見詰め合うところ。いつも以上の“気”がこめられているようで、涙が出てきてしまいました。連獅子は大好きな演目だけど、こんな体験は初めて。後シテの髪洗いも大迫力で もう、涙・涙でした。客席の拍手もすごくって。それとの連動でもう、止らないという風情でした。最後の「獅子の座にこそ、なおりけ〜り」のところでの勘三郎さんの「やぁ」の気合もいつも以上。こんなにも凄いものを観てしまってどうしたらいいのか、わからなくなってしまい、次の文七元結との幕間の30分間、ずっと動けずもう、何も観なくてもいい、このままにしておいて。と、いう気分でしたが・・・。
 
とは言っても。『文七元結』始まってみれば、これはもちろん、何度も観てはいても、怒ったり、笑ったり、ハラハラしたり。七之助さん、文七は以前にもやっているし全く問題なし、と、思っていましたが、今回演るつもりはなかったのだから、よく考えてみれば本人も周りもたいへんだったのでしょうね。わたしは、この役は七之助くんの、ひょろひょろ、と頼りない感じがぴったりだしと、安心していたのですが、これもまた以前の舞台とは大違い。お兄さんの「いい所」が加わって、磨きがかかっていて、もう、なんとも言えない舞台でした。
 
負が正になる、そんな瞬間をたくさん見させてもらい幸せです。これはやっぱり日頃があってのこと、そして、博多の皆さんの温かい声援と拍手、舞台に寄せるおもいがあってのこと、なのでしょうね。中村屋も、博多もすごい!

襲名直前の七之助くんの事件もそうだったけど、事が起こっても、それを負のままにしておかない勘三郎さん。ますます、中村屋のとりこになってしまいました。
 
とりとめのないものになってしまい、大変失礼を致しました。まだ、わたし博多座の熱から覚めていないようです
【2006. 06. 27 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(6) | trackbacks(0) |
半藤一利『ノモンハンの夏』を読む
今月はいろいろな仕事が立て込んで、先週は疲れ果てて、一週間が終わった。この二日間の休みは、ただひたすら休養と言えば体裁はいいが、要はごろ寝ばかりして惰眠を貪りつつ、本を読んでいた。

ようやく文春文庫版の半藤一利『ノモンハンの夏』を読み終えた。その前に同じ著者の『日本のいちばん長い日』を再読した。多くの証言で綴ったこの歴史ノンフィクションは、最初の刊行時には大宅壮一編と冠していたが、実はこの半藤和一利氏の手になるものだったことは後になって知った。三船敏郎主演で映画化もされたこの陸軍の反乱を描いた終戦秘話は、臨場感溢れる迫真のドキュメンタリーでもある。

いわゆる「ノモンハン事件」は、昭和14年に外蒙古と当時の満洲帝国の国境線をめぐって、日ソが武力衝突した局地戦である。日本が惨敗した悲惨な事件程度しか記憶になかったが、蒙古語を専攻した司馬遼太郎が書こうとして、果たせなかった題材とか。それを歴史探偵を自称するこの著者が書いたのだから、俄然興味がわいて続けて読んだ。

書き出しは、東京の三宅坂上にあった陸軍のエリートが集まる参謀本部の描写からはじまる。その彼らがいかに世界の情勢にうとく、自己中心的だったかを、ドイツのヒトラーとソ連のスターリンの虚々実々の駆け引きと並行して叙述しながら、豊富な資料で精細に描いてゆく。そこにあるのは、統帥権の名の下に、昭和天皇の意思をも無視して、戦争に奔った陸軍の驕慢であり、暴走だった。その典型を著者は、当時の関東軍参謀の服部卓四郎大佐と辻政信少佐に見出す。

まったくこのような参謀たちの独断的で暗愚な作戦のお蔭で、いかに多くの将兵の血が流されたことか!暗然とする思いでなかなか読み進めることが出来なかった。日本はまさにスターリンの掌中で踊る孫悟空のようなものである。しかも、「ノモンハン事件」の教訓を生かすことが出来ず、また参謀たちの過失は問われなかった。それどころか、またもや参謀本部の作戦参謀に栄転したこのコンビよって、無謀な太平洋戦争に突入してしまう。

この本の最後に著者は書く。
ノモンハン敗戦の責任者である服部・辻コンビが、対米開戦を推進し、戦争を指導した全過程をみるとき、個人はつまるところ歴史の流れに浮き沈みする無力な存在にすぎない、という説が、なぜか疑わしく思えてならない。そして人は何も過去から学ばないことを思い知らされる。
【2006. 06. 26 (月)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
勘太郎が怪我で博多座を休演!?
今博多座で行われている勘三郎襲名興行に出演している勘太郎が、23日から靭帯損傷で休演したらしい。らしい、と言うのは、新聞記事など検索したが、どこにも出ていなく、また博多座のHPにも今のところ何の発表もない。ただ、23日に観劇等でその情報を入手され、ブログに書かれた方々のいくつかの記事によって、知った。

それらによれば、夜の部のトリの『雨乞狐』を踊っている際に傷めたようである。『雨乞狐』は昨年の納涼歌舞伎で激しい動きと五変化の早替りで、観る者を驚嘆させたことはまだ記憶に新しい。だから、プロ野球選手によくある怪我であるが、あの舞踊ならさもありなん、と思わせる。主に七之助と父勘三郎が代役となって、千穐楽まで休演すると思われる。怪我が怪我だけに、ゆっくりと休養し、じっくり時間をかけてでも、治して欲しいものである。
【2006. 06. 23 (金)】 author : 六条亭
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九月歌舞伎座は秀山祭−初代吉右衛門生誕百二十年
九月歌舞伎座の演目が正式発表された。既に初代中村吉右衛門生誕百二十年の秀山祭(秀山は、初代吉右衛門の俳号)として公演が行われると予告されていたが、二代目吉右衛門が兄の幸四郎と久しぶりにがっぷり四つに組んで共演する演目が昼夜にあり、出演する役者も豪華に揃い注目される。ただ、昼夜とも最近上演された演目も多く、もう少し工夫が欲しかったように思う。

【昼の部】(午前11時開演)
○ 菅原伝授手習鑑
     『車引』

     梅王丸                      松 緑
     桜丸                        亀治郎
     松王丸                      染五郎

○ 双蝶々曲輪日記
     『引窓』

     南与兵衛 後に 南方十次兵衛        吉右衛門
     女房お早                     芝 雀
     平岡丹平                     歌 昇
     三原伝造                     信二郎
     母お幸                       吉之丞
     濡髪長五郎                    富十郎

○ 『六歌仙容彩』
     業平小町
     文屋

     <業平小町>
     小野小町                     雀右衛門
     在原業平                     梅 玉

     <文屋>
     文屋康秀                     染五郎

○ 菅原伝授手習鑑
     『寺子屋』

     松王丸                       幸四郎
     武部源蔵                     吉右衛門
     春藤玄蕃                     段四郎
     園生の前                     福 助
     戸浪                        魁 春
     千代                        芝 翫

【夜の部】(午後4時30分開演)
○ 鬼一法眼三略巻
     『菊畑』

     智恵内 実は 鬼三太             幸四郎
     虎蔵 実は 牛若丸               染五郎
     皆鶴姫                      芝 雀
     笠原湛海                     歌 六
     吉岡鬼一法眼                  左團次

○ 『籠釣瓶花街酔醒』
     序幕  吉原仲之町見染の場
     二幕目 立花屋見世先の場
           大音寺前浪宅の場
     三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場
           同  廻し部屋の場
           同  八ツ橋部屋縁切りの場
     大詰  立花屋二階の場
 
     佐野次郎左衛門                吉右衛門
     八ツ橋                      福 助
     立花屋女房おきつ               東 蔵
     下男治六                     歌 昇
     九重                        芝 雀
     繁山栄之丞                   梅 玉
     立花屋長兵衛                  幸四郎

○ 『鬼揃紅葉狩』

     更科の前 実は 戸隠山の鬼女       染五郎
     平維茂                      信二郎

 平成18年9月2日(土)初日→26日(火)千穐楽
【2006. 06. 22 (木)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(7) | trackbacks(0) |
歌舞伎座の株主優待は…
ライブドア事件から、村上ファンドのインサイダー事件へとつながった一連の経済事件は、日銀総裁の村上ファンドへの投資と多額の運用益問題にまで発展した。

このブログでは、経済問題を取り上げるのは主な目的ではないが、含み益もあわせて、1千万円の投資が6年9ヶ月で約2.5倍になっているのは庶民感情から言って納得出来ない。応援するためと言って、ぽんと1千万円が投資できるのだから、総裁はよほど運用がうまく、資産が増えていたのであろう。株式運用を専門にしている人でもなかなか儲からないようだから。

一般の投資家は、長期的な値上がり益を求めて、資産として株式を保有するのが普通であろう。しかし、他方では配当はあまり期待できない。上場株式は10%配当の会社が多いが、時価が額面をかなり上回っていて売買されているから、実際の配当利回りは極端に小さくなる。

歌舞伎ファンにとってお馴染みの歌舞伎座も東証二部に上場されている。マーケット情報は以下の通り。

9661歌舞伎座

株価はここのところ5千円を境に上下している。一株5円配当(株式の額面は50円)だから、配当利回りは、0.1%にしかなかならない。そこで多くの企業は株主対策として、いろいろの株主優待策を実施している。歌舞伎座は、当然ながら保有株式数で観劇招待券をもらえる。

歌舞伎座の株主優待

つまり、1千株約500万円(手数料は考慮しないで)を投資してはじめて年間8枚(昼夜とすると4か月分)の招待券が手に入る訳である。席や日にちは指定されるようであるので、必ずしも一等席ばかりではないし、ツキにもよろうが、仮にすべて一等席に当たったとして計算すると、今のチケット代では12万円になる。配当金の5千円より相当魅力的である(笑)。もっとも、そんな寝かせておける余裕資金は、普通の勤め人にはとてもではないがあろうはずがない(^_^;)。

そう考えると、子供時代にお知り合いから歌舞伎座の株主招待券があるが都合がつかないから、代わりに観に行って、と言われてホイホイと喜んで行ったのは、随分贅沢なことだったようである。

しかし、仮にそのような株式投資が出来たとしても、2008年から予定されている歌舞伎座建替えの間は、株主招待はどうなるのであろうか?
【2006. 06. 21 (水)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルパンものの代表作『奇岩城』の新訳発売
シャーロック・ホームズの新訳に続いて、今度はモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンものの新訳が発売された。それも代表作とも言える『奇岩城』が。

平岡敦新訳『奇岩城』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

少年少女世界文学全集で易しく書き換えられた翻案も含めて、アルセーヌ・ルパンものの面白さをこの『奇岩城』(従来は『奇巌城』との標題が多いが)で知った人は多いであろう。少年探偵がルパンと知恵比べをする、言ってみれば血脇き肉踊るストーリーが展開する無類のエンターテイメントは、時代を経ても新鮮さを失っていないであろう。しかも、ホームズまでがルパンの引き立て役として登場するおまけもある。

たまには少年の頃のハラハラ・ドキドキを追体験する読書も良いかもしれない。
【2006. 06. 19 (月)】 author : 六条亭
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07年の大河ドラマ『風林火山』の意外な配役
来年の大河ドラマ井上靖原作『風林火山』の追加配役の発表のニュースには正直驚いた。

サンケイスポーツ

主役の山本勘助に強い影響を与える由布姫の配役に注目していたのだが、異例のまったくの新人の抜擢。それも柴俊夫と真野響子夫妻の娘とは!

千葉真一が、大河ドラマ初出演とも気が付かなかった。これは内野聖陽や市川亀治郎のみでなく、『風林火山』が楽しみになって来た。
【2006. 06. 17 (土)】 author : 六条亭
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日本の近・現代文学―文学全集の思い出(その4)
断続的に書いている、文学全集をキーにした学生時代の読書の思い出は、今度は日本の近・現代文学である。既に書いたように、文庫本はまだ評価の定まった古典的な作品が中心だったから、勢い明治・大正の作家が中心で、精々横光利一や川端康成など昭和初期のものに限定されていて、戦後作家のものは数少なかった。だから、日本文学の場合でも、ほとんど文学全集のバラ買いをして読んだ。

しかし、漱石、鴎外から自然主義、白樺派など順次読んで行っても、志賀直哉の唯一の長編小説『暗夜行路』と有島武郎『或る女』に興味をひかれたのみで、どうも海外文学と比べると日本の小説は物語性に不足している、つまり面白くなかった。十代の少年に作家個人の家庭や恋愛をありのまま書いた私小説が面白かろうはずがない。実生活をそのまま書いたからと言って、読む者を感動させるとは限らず、嘘のようなまこと、すなわち虚実とりまぜたものにこそ人間の真実を描き出せる。もっとも、当時はまだ口語体最初の小説二葉亭四迷『浮雲』『平凡』『其面影』を知らず、また島崎藤村の『夜明け前』はあまりにも長大かつ堅牢な構成ゆえに、敬遠していたから、その真の価値と偉大さを理解できるのはもう少し後になる。

そこで当然芥川龍之介や谷崎潤一郎の作品に魅力を感じて読み進み、その延長線上で昭和初期の新感覚派にまで手を広げた。今はその耽美的な美で圧倒的に川端康成の人気が高いが、新しい文学の試みとして多様な文体で実験的小説を書いた横光利一の方が面白く読めた。『日輪』『機械』『蠅』などは現在でももっと読まれていい作品でなはいだろうか?未完となった最後の長編小説『旅愁』も、執筆当時の時代背景を考えれば、日本の小説には珍しいモダンな香りを漂わせていて、現代でも十分に通用する。

これらの日本文学を読んだ全集は、『旅愁』を除けば、最初は新潮社版の日本文学全集だった。赤い函に入り、活字もぎっしりとつまったものだったけれども、ハンディーなことと現代作家が多く収録されていることが魅力的だった。その後、中央公論社が赤の「世界の文学」と対をなす青の「日本の文学」を挿絵入りで出版し、ゆったりとした組み方と魅力的な装禎、『細雪』『夜明け前』などの長編が一冊に収録されていることもあり、以降はこの中央公論社版をメインに購入した記憶がある。文藝春秋が『現代日本文学館』で新たに参入、河出書房が『日本文学全集』もグリーン版を、新潮社が『新潮日本文学』をと老舗も巻き返し、60年後半から70年代にかけては日本文学全集のブームだったように思う。

さらに、河出書房は純文学に限らず現代作家の売れ筋作品を集めた『現代の文学』も出し、五味川純平のベストセラー『人間の條件』を一冊に収めるなど話題を呼んだし、講談社も『われらの文学』という生きの良い現代の文学全集で目新しさを出し、日本文学の読者の裾野を大きく広げたように思う。随分その恩恵をこうむって、たくさんの作品を読むことが出来たのは、ちょうどよいめぐり合わせだったようである。その後は世界文学全集と同様、全集出版の企画は激減して、これらの全集はもう古書店や図書館でしか見つけることは出来なくなった。
【2006. 06. 16 (金)】 author : 六条亭
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『アマテラス』特集番組の放送予定
先日観劇感想を書いた坂東玉三郎と鼓童の共演『アマテラス』は、劇場中継を含んだ特集番組が7月に早くも放送される。

○ 7月23日(日)22時〜 NHK教育テレビ『劇場への招待』

鼓童HP

一昨年放送された『鼓童meets玉三郎』の特集番組は、前半鼓童の本拠地佐渡の美しい自然と風景を織り込みながら、玉三郎の演出でワンアース・スペシャルの舞台が作り上げられて行く過程を克明に描き出していた出色のメイキングだった。後半の舞台のハイライト録画も、生の舞台の迫力には及ばないとしても、和太鼓集団鼓童の新たな展開を見せ付けてくれた映像だった。

今回玉三郎は演出家としてのみではなく、満を持して鼓童と共演した舞台である。前回と同様、いやそれ以上に『アマテラス』がメイキングも含めて、いかに映像化されているか、期待される。
【2006. 06. 14 (水)】 author : 六条亭
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