徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
| - | - | - |
七月大歌舞伎の演目と配役が発表!
注目していた七月大歌舞伎の演目と配役が歌舞伎美人にが発表されていた。しかも、チラシ付きで。

出演は予想通り玉三郎と海老蔵、それに歌六と澤瀉屋一門の共演である。昼の部は平成四年十二月に猿之助と玉三郎共演で上演された『義経千本桜』忠信編と同じと思われる。海老蔵が猿之助に習った狐忠信の宙乗りをついに歌舞伎座で務めることになる。

夜の部は二年前と同じ泉鏡花特集のようである。夜叉ヶ池の再演も悪くないが、『高野聖』ははじめて観るもの。これはどのような舞台になるのか、今から楽しみである。

歌舞伎座百二十年
七月大歌舞伎
【昼の部】(午前11時30分〜)

○ 義経千本桜
  鳥居前
  吉野山
  川連法眼館

  市川海老蔵宙乗り狐六法相勤め申し候

  鳥居前
      佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵

  吉野山
      佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵
             静御前  玉三郎

  川連法眼館
      佐藤忠信実は源九郎狐  海老蔵
             静御前  玉三郎


【夜の部】(午後5時〜)

○ 夜叉ヶ池

              百合  春 猿
             白雪姫  笑三郎


○ 高野聖(こうやひじり)

              雪路  玉三郎
              宗朝  海老蔵
             雁兵衛  歌 六

平成20年7月7日(月)初日〜31日(木)千穐楽

料金(税込み)
1等席 15,000円
2等席 11,000円
3階A席 4,200円
3階B席 2,500円
1階桟敷席 17,000円


【2008. 04. 30 (水)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(8) | trackbacks(0) |
『勧進帳』−四月大歌舞伎千穐楽夜の部の感想(その一)
昼夜チケットを押さえてあったが、残念ながら私用により夜の部観劇のみとなった。既に夜の部の感想をアップ済みであるが、やはり千穐楽はどの演目も大変充実していたので、重複する部分もあるが再度まとめる。

『勧進帳』

今月は何といっても仁左衛門の弁慶、勘三郎の富樫、玉三郎の義経のトリオによるこの『勧進帳』が一押しであった。何度観ているか分からない歌舞伎十八番の一つの人気演目であるが、この三人による顔合わせはとても清新な印象を受けた。玉三郎の義経は昭和六十三年一月の舞台を観ている。その前年から歌舞伎観劇をぼつぼつと再開したばかりだったから、玉三郎という売り出し中の女形が立役でも凛とした美しさがあることに驚いた記憶が鮮明である。とりわけ「判官御手」の部分はそれまで梅幸の義経を最高と思っていたが、玉三郎の義経も型の美しさばかりでなく窮地を救ってくれた弁慶に対する溢れんばかりのいたわりの心情がその右手から流れ出したような錯覚を覚えた。

その義経を玉三郎が二十年ぶりの再演。しかも、仁左衛門の弁慶も東京では二十一年ぶりで、もちろん初見。この人のニンは本来富樫であると思っているから、発表当初は驚いた。勘三郎の富樫も初見。

仁左衛門の弁慶は、筋書によれば先代が七代目幸四郎から教えられた型ということである。その弁慶の特徴を一言で言えば、主君義経思いの心情を明快にうちだした極めて分かりやすいものであった。例えば、花道の出では、義経の「いかに弁慶」で座ること(もっとも三階席の観劇ではそこまで見えなかったが)や、詰め寄りで金剛杖の左手を順手で持つところ(これは一回目の観劇では気が付かなかったが、これは和戦両様の形であることを「上村以和於の随談」にて教えられた)、富樫を見送ってからそれまでの緊張がとけたように右手に持った金剛杖の後ろをカタンと床につけるところなどであるが、いずれにしても主君義経を立てて、何としてでも守り抜こうということがよく分かるすぐれたものである。しかも、その思いが全身から伝わってくるから細身の仁左衛門が大きく見え、加えて元々口跡の明晰な人が演じるから、難解な山伏問答も勘三郎の富樫とがっぷり四つで、緊迫感があった。

その勘三郎であるが、今月の五日の初見の時は、台詞回しに独特の粘るような癖が感じられたが、それはよく考えてみると先代勘三郎に似ていたのが気になってそう感じたようである。この千穐楽の富樫は、台詞も高く張っており、義経と弁慶主従に対して同情を寄せる武士を堂々と見せた。

玉三郎の義経も、五日の初見の時は、花道の能がかりの台詞回しにやや違和感を感じた。しかし、今回はまったくそれを感じさせず、終始悲劇の武将の愁いと気品に満ちた義経だった。だから、あの「判官御手」の部分は、仁左衛門という永年のコンビできた二人以外では醸し出せなかったであろう深い情愛に満ちた感動的な場面だった。このくだりを観ることが出来ただけでも今月の観劇は十二分に満たされたと感じた。

(蛇足)詰め寄りのところで、仁左衛門の中啓が落ちてしまうハプニングがあった。緊迫している場面であるから、どうなることかとハラハラしたが、團蔵がうまく拾い上げ後見にすばやく渡して一件落着。さすがヴェテラン。

【2008. 04. 29 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(4) | trackbacks(1) |
今年の八千代座舞踊公演は玉三郎の『鏡獅子』
熊本県山鹿市にある八千代座は、伝統的な芝居小屋の様式を今に伝えるところで、私も一度は行ってみたい芝居小屋の一つである。ここで玉三郎が毎年舞踊公演を行うことで、この芝居小屋のよさがつとに全国的に知れ渡った。

今年も11月6日(木)から16日(日)まで坂東玉三郎舞踊公演が行われる。演目は舞踊『鏡獅子』とのことである。これは、う〜ん、初遠征か?

毎日jp 熊本版

八千代座のHPは、こちら

【2008. 04. 27 (日)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
夜は四月大歌舞伎楽日観劇
200804261618000.jpg
夜の部観劇には間に合いました。
【2008. 04. 26 (土)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(0) | trackbacks(0) |
今日の昼はお宮詣り
200804261433000.jpg
初孫(女の子)のお宮詣りでした(笑)。
【2008. 04. 26 (土)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(15) | trackbacks(0) |
宮尾登美子『藏』(上下)を読む
評価:
宮尾 登美子
角川書店
---
(1998-01)
Amazonランキング: 304326位
Amazonおすすめ度:
宮尾登美子は、いわば芸道ものとでも称されるようにひとつのことに自分の全生涯を賭ける人間に魅了されて、『一弦の琴』や『序の舞』、そして『きのね』などの作品を書いている。この『藏』もその系列に連なる大変素晴らしい傑作である。作者にしては珍しくこれといったモデルはなく、日本独自の酒造りの魅力を目が不自由でありながらも、蔵元として逞しく生きた女性を主人公にしている。

酒どころ新潟の大地主で酒造りの蔵元の娘に生まれた烈は、兄や姉が何人も夭折したたため大事に育てられるが、不幸にも鳥目となり、やがて全盲となってしまう。一人娘であり、母が病弱であるため母の妹佐穂が乳母のようにして育ててくれるが、かえって我が儘で気性の激しい子供時代を送る。

しかし、美しい少女に成長し、分別も付いた烈は、母、祖母、そして腹違いの弟の事故死で父が酒造りの意欲を無くした時に、ご先祖さまに申し訳がたたないようなことはできない、と自分が酒造りを続けることを強く望み、やがて父もそれに協力するようになった。そして、藏人との恋にかける激しい情熱は、やがて結婚、跡継ぎの男子誕生と蔵元を存続させるまでになったが、病を得て46歳で早世する。

女主人公の名前通りの苛烈なまでの生き方は、越後の自然風土を背景にして、会話を地元の方言で通しているので、さらに読むものに強烈な印象を与える。烈を支える叔母佐穂の控えめながらも一本芯の通った生き方、そして父意造の家父長としての悩み・苦しみなど、いずれも共感できる人物たちが織り成す宮尾文学の世界は、一つの浄瑠璃を聞いているがごとく、深く魅力的なものである。

JUGEMテーマ:読書
【2008. 04. 25 (金)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(2) | trackbacks(0) |
クーベリック『わが祖国』全曲のDVD発売予定
チェコの国民音楽とも言うべきスメタナの連作交響詩『わが祖国』は、チェコの歴史と自然を描いた名曲であり、私も大好きな曲の一つである。プラハの春音楽祭のオープニング曲としても知られる。それだけに過去に多くの名演のCDも出ているが、チェコ出身の世界的指揮者ラファエル・クーベリックも過去に5回もこの演奏を録音している。

そのなかでも4回目の録音である手兵バイエルン放送交響楽団との1984年のライブがDVDで出るという思いもかけないニュースを見付けた。スタジオ録音も決して悪くはないが、ライブでは一味も二味も違った燃える演奏をしたクーベリック、このDVDは期待して発売を待ちたい。

『わが祖国』全曲 クーベリック&バイエルン放送交響楽団(DVD)

JUGEMテーマ:音楽
【2008. 04. 22 (火)】 author : 六条亭
| クラシック音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
平岩弓枝『西遊記』 (上下)を読む
評価:
平岩 弓枝
毎日新聞社
¥ 1,785
(2007-03)
Amazonランキング: 22823位
Amazonおすすめ度:
ようやく図書館のリクエストで平岩弓枝『西遊記』(上下)(毎日新聞社)を読むことが出来た。子供時代に短縮版を読んだのみで、原典の西遊記を読んでいなくてレビューを書くのも気が引けるが、これはとにかく面白い。しかもそれのみならず、取経のための天竺国への旅の途中遭遇する幾多の危難を乗り越えて、三蔵と孫悟空、猪八戒、沙悟浄たちの間に深まる師弟愛には心うたれる優しい西遊記である。

孫悟空の人間的な成長もさることながら、猪八戒の目に見えるような変貌と、三蔵ならびに仲間たちへの深い愛情も麗しい。そしてこの平岩版の西遊記物語がただの冒険譚に終わらずすぐれているのは、襲い掛かる妖怪たちにも温かい目を向けていることで、とくに天竺国の公主に化けていた月宮殿の玉兎のエピソードは哀切である。

またこの書で特記すべきは、『御宿かわせみ』でもコンビを組んでいる蓬田やすひろの挿絵が諸仏や妖怪も含めて、この物語のファンタジーを存分に際立たせていることである。作者はこの作品で第49回毎日芸術賞を受賞したのも当然と思わせる。

JUGEMテーマ:読書
【2008. 04. 21 (月)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
司馬遼太郎『坂の上の雲』を読む(その一)
この司馬遼太郎畢生の大作を読み返した。もう何回目になるだろうか。読み返すたびに常に新しい発見があり、文春文庫版でも全八冊に及ぶ大長編は、一旦読み始めると最後まで読み通してしまう。これから何回かに分けて、この名作について語りたいと思う。

この作品の主人公は日露戦争であり、それを語るにまことに相応しい人物として、正岡子規と松山で同郷の親しい秋山好古・真之兄弟を選んだことに、作者の慧眼がある。前半三分の一ほどは、彼らを中心とした明治の若者の青春と生き方が豊富なエピソードと瑞々しい筆致で描かれている。とりわけ子規の生きざまは当時の若者の振幅の大きさを示しており、やがて病をえながらも、和歌・俳句の革新という大事業を推し進める。高浜虚子ら後継者に恵まれて、「ホトトギス」として子規の唱えた運動は日本の文芸史上不滅の輝きを持つに至るが、それと並行して既に陸軍に入った好古と、その兄の勧めもあって心ならずも子規と別れて海軍に入った真之兄弟の姿も描かれる。

これは当時の軍隊がまだ未成熟で、士官育成の緊急性から士官学校なら学費がタダで比較的簡単に入学出来るという事情があった。しかし、そのお陰で陸軍は騎兵というもともと日本の歴史でもなかった特殊な軍団の育成を好古一人に託すことになり、また真之は後に神がかりとも言われた作戦を立案して、日本海海戦の劇的な勝利を勝ち取る名参謀になることを思うと、日本の歴史の不思議さを感じざるをえない。たとえ、明治維新が薩長の藩閥で成し遂げられたとしても、西郷兄弟や大山巌がそうだったように、限られた同郷の幼なじみが歴史を作っているのである。
【2008. 04. 19 (土)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(0) | trackbacks(0) |
クラウディオ・アバド生誕75周年記念リリース
1933年6月生まれのイタリア人指揮者、というより世界的指揮者であるクラウディオ・アバドが今年75歳を迎えるのを記念して、誕生月の6月に大変注目すべき3つのCDがリリースされる。

○ モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲全集/クラウディオ・アバド、ジュリアーノ・カルミニョーラ

○ モーツァルト:交響曲集/クラウディオ・アバド、モーツァルト管弦楽団

○ ベートーヴェン:交響曲全集/クラウディオ・アバド、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ベートーヴェンの交響曲全集は、TDKコアからDVDの全集として既発売の音源のCD化(それだけアバドが自信を持っている録音であろう)であるが、前2点のモーツァルトは、アバド初のピリオド楽器による演奏を名手カルミニョーラと共演して録音したものという。私は視聴できなかったが、先日のBShiでブランデンブルグ協奏曲の演奏もあったようであり、モーツァルト管弦楽団との演奏活動から目が離せない。

それにしてもアバドの若いこと!

JUGEMテーマ:音楽
【2008. 04. 17 (木)】 author : 六条亭
| クラシック音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
FLASH時計



PageRank Powered by SEO Stats





  和樂 毎月12日発売

BlogPeople

BlogPeople検索


歌舞伎ブログ にほんブログ村 演劇ブログ 歌舞伎へ

qrcode