徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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『外郎売』『傾城反魂香』『大津絵道成寺』−国立劇場十一月歌舞伎公演の感想
5日に観劇したまま、感想をまとめていなかった国立劇場の歌舞伎公演、これまた簡単な感想です。

『外郎売』

團十郎の得意中の得意の狂言、三年前の復帰時にも選ばれたもの。今回も初春公演で『象引』を出し、また『外郎売』で今年の演じ納めをする、という狂言半ばの口上があった。やはり團十郎の歌舞伎十八番は大らかさがあって、余人をもって替えがたいものがある。もっとも観劇時は早口の言い立てが幾分精彩がなかったように感じられたのは残念だった。

團十郎を除くと、周りの配役が小粒でバランスが悪く、物足りない。彌十郎の工藤祐経、柄の大きさには不足はないが、座頭が演じる役に必要な目に見えないような格が十分ではない。翫雀の朝比奈、扇雀の舞鶴ともに面白みに欠ける。今月この一役という芝雀の大磯の虎も所在無げである。

『傾城反魂香』

團十郎と藤十郎の二大名跡の顔合わせによる土佐将監閑居の場であるが、正直観ているのが辛かった。又平はこの人のニンにあっている役とは思えないからである。まったくしゃべらないか吃音の場面が長いが、その間がいかにも手持ち無沙汰である。いわゆるハラが足りないであろう。したがって、その後の奇跡の歓喜に感情移入できなかった。

藤十郎のおとく自体も夫思いのあまりのおしゃべりが意外と似合っていない。独特の粘るような口跡がこのような世話の役にそぐわないので?は感じた。

『大津絵道成寺』

道成寺の趣向を踏まえて、五変化を見せる舞踊。琵琶湖の背景の装置が美しく、目先の変化も楽しい。藤十郎は藤娘の姿で道成寺の詞章を踊りながら、鷹匠、座頭、船頭に早変りで鮮やかに変る。道成寺の詞章を長唄と常磐津で掛け合うのは贅沢でありながら、たっぷりとした聞かせどころがなく、せっかくの一巴太夫の出演もももったいない気もした。藤十郎の踊りも年齢を感じさせない若さには驚嘆するが、変化舞踊ゆえの見せ場が少ない。大津絵の鬼が大きさと貫禄が十分であった。

翫雀の矢の根五郎は全くニンにあっていない。亀鶴の弁慶はもう少し大きさが欲しいが大健闘である。亀鶴はもっと活躍してもらいたい役者である。

【2009. 11. 29 (日)】 author : 六条亭
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『十五代目片岡仁左衛門』は12月16日ころ発売予定
当初12月2日ころ発売予定とあった『十五代目片岡仁左衛門』【写真集+芸談】(小学館)は、特設サイトによれば16日(水)ころ発売に変更されたようだ。

特設サイトは、こちら

【初版限定】初版のみの限定出版ですので、売り切れになる場合がございます。ご予約はお早めにお願い致します。

初版のみの限定出版と言われると食指が動くが、税込み定価26,250円では考え込んでしまう(^_^;)。



【2009. 11. 27 (金)】 author : 六条亭
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『三人吉三巴白浪』『鬼揃紅葉狩』−花形歌舞伎千穐楽夜の部の感想
風邪がまだ完治しないままの観劇のため、簡単な感想です。

『三人吉三巴白浪』

初日観劇に比べると愛之助のお坊が格段に充実していた。容姿は元々ニンにあっているうえ台詞に力強さが加わり、盗賊に落ちぶれた侍の悲哀が濃厚に漂っていた。だから、菊之助のお嬢との「吉祥院の場」が前半は妖しい雰囲気も出てきていた。因果噺もよりくっきりと鮮明に悲劇的な色調を帯びており、大詰の「本郷火の見櫓」の場が視覚的にもとても美しい。

菊之助のお嬢は台詞も明晰で、女装した盗賊という倒錯した性の魅力も横溢しているが、演じ方としては不良少年のイメージであろう。ところどころで(当然のことであろうが)菊五郎そっくりの表情・型が多いことを再認識した。昼の部の三五郎のような役も考え合わせると、菊之助も女形から徐々に立役に重点を移して行くのであろうか?

松緑の和尚は前半が熱演のあまりかやや自分流の台詞回しになっているのが気になったが、後半は双子の兄妹を二人の身替りに殺すまでの苦悩をよく現していた。松也・梅枝の双子の兄妹はけなげで、因果の悲劇がさらに陰影をましていた。

菊之助、愛之助、松緑の三人吉三はこれからも三人の持ち役として何回も演じられることであろうが、今回の花形歌舞伎はエポックメイキングであると言える。

なお、「本郷火の見櫓」での清元と竹本の掛け合いのなかで、竹本のシンを務めた葵太夫はご子息が清元瓢(ひさご)太夫となって24日、25日が初御目見得で親子共演とのことであった。三挺四枚の清元の一番下手に座っていた太夫が葵太夫を一回り小さくしたような青年で、ご子息であったように見受けられた。延寿太夫ほかの太夫と声もよくあって艶やかで、とても初御目見得とは思えない出来だった。単独での語りもあり、その後を葵太夫が語るという文字通りの親子共演を拝見できた。

『鬼揃紅葉狩』

これは初日もダイナミックな踊りに魅惑されたが、楽日はさらに侍女の鬼女たちの息もよく合い、三階席から観ていても一糸乱れぬ所作と毛振りは見事。亀治郎は前半の更科の前のたおやかな上臈の踊りから一転して鬼女の口跡はまさに猿之助そのものである。鬼女はリーダー(?)としてぐいぐい引っ張ってゆく迫力は凄まじいものがある。松緑の端正で優雅な平維茂、菊之助の清新な八百媛など見どころが一杯である。侍女たちも吉弥を別格とするとこれからの歌舞伎を担う御曹司たちがひたむきに演じていたには好感を持てた。とりわけ普段立役が多い巳之助の女形が美しく、目をひいた。

【2009. 11. 26 (木)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(8) | trackbacks(0) |
浅井健爾「なんだこりゃ?!まだまだあるぞ『県境』&『境界線の謎』」を読む
評価:
浅井 建爾
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(2009-09-11)
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地図の見方が変わる?

この二三日若干風邪をひいてしまい、PCも開けることができず、更新の間隔が空いてしまい、失礼しました。またコメントいただいた方々にはお返事が遅くなりますので、ご容赦ください。皆さまも風邪にはご注意ください。

さて、そんな具合だったので、この著者の「知らなかった!驚いた!日本全国『県境』の謎」とこの続編をぱらぱらと断片的に拾い読みした。日本の県境が明治維新政府が主権確立のための手段として断行した廃藩置県に端を発し、行政区分として決められた境界線であるのだが、目に見えない一本の線は、山や湖、川などの地形、そして文化や生活圏をもとに引かれている。このため大袈裟に言えば、その境界線に住む人たちの人生を大きく左右することもありうる。

したがって、まだまだ日本全国で多くの境界未確定地があるとともに、確定した境界線にもさまざまな歴史があることが分かる。とりわけ島崎藤村の生まれ故郷である旧長野県山口村が岐阜県中津川市に県境を越えて合併を実現したしたことは、平成の大合併が後押ししたとは言え、歴史と生活圏の産物である。

私が住む東京都町田市も2つばかり話題にあがっている。

(1)神奈川県との県境を流れる境川の問題

境川は武蔵の国と相模の国の境を流れるので文字とおり県境の境をなす川である。しかし、この川以前は相当な暴れ川だったようで、頻繁に堤を破って洪水があった。その後の河川の改修で蛇行を直線にしたりして水が出ることはまったくなくなったが、そこで起きている問題は東京都と神奈川県の県境である。蛇行した部分が改修されたお陰で、以前の川の流れによって決まっていた県境が川の左右でおかしなことになってきたわけである。つまり地図で見ると川の流れと県境が一致しなくなっている。川の右岸の東京側に神奈川県の飛地が、左岸に東京都の飛地が発生しているのである。

境川は遊歩道として整備されているので、周辺を歩くとよく分かるのであるが、川が蛇行している近辺には元の流域跡がだいたい残っており、その住居表示を見ると東京都町田市のなかに神奈川県相模原市があったりするのである。もちろんその逆もある。この問題は両市で話し合いを進めて順次県境を川の流れにあわせようとする努力はされているようであるが、現に居住している方々がいる以上、住民感情の問題もあり、一朝一夕には進展しないようである。

(2)町田市と川崎市飛地と大学

元々町田市は神奈川県のなかに垂れ下がったような形で市域が出来ているので、北東側も神奈川県横浜市と川崎市に境を接している。しかも川崎市自体が麻生区岡上という飛地であることが境界をさらに複雑化している。その典型が町田市にある和光大学と玉川学園の二つの大学であり、いずれも町田市と川崎市にまたがっている。しかも、玉川学園は横浜市にも校舎があるというまさに境界線にたつ大学である。

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【2009. 11. 25 (水)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(4) | trackbacks(0) |
竹本葵太夫の親子共演
竹本葵太夫のHPは、今竹本の義太夫としてもっとも活躍されている方の生の声を拝読でき、かつ歌舞伎の舞台を作り上げてゆく貴重なエピソードの数々を知ることが出来る、歌舞伎ファンには見逃せない貴重なサイトである。最近は歌舞伎義太夫の方々が出演する演目が数多く舞台にかかり、また清太夫ほかの方がご病気等で休まれていることもあるためか、葵太夫はフル回転の月が続き、サイトの更新のペースが落ちていることは止むを得ないことである。くれぐれもご健康と咽喉の調子にはお気をつけていただきたい。

それにしても、『仮名手本忠臣蔵』がかかった今月のような月は、義太夫と三味線の方々の出演調整は綱渡りのようであることが次のリンクを見ても分かる。竹本の後継者難も深刻である。

竹本協会の今月の活動

さて、葵太夫の今後の予定を拝見すると、新橋演舞場の花形歌舞伎『三人吉三巴白浪』「火の見櫓」のシンを務めているが、そのなかで、次のような注書きがある。

★私の倅が清元の太夫修業中でございますが、このほど宗家より「清元瓢(ひさご)太夫」芸名を頂戴し、この24・25両日の「火の見櫓」で初御目見得いたします。はからずも親子共演ということに相成りました。

葵太夫のご子息が清元の太夫修行中とははじめて知ったが、25日千穐楽は私も観劇予定であるので、まさしくはからずも親子共演の舞台を拝見できるわけである。

【2009. 11. 21 (土)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(10) | trackbacks(0) |
過去の投稿記事の表示について
いつも拙ブログをご高覧いただき、ありがとうございます。

ブログのレイアウトのうち、右サイドバーにあります「過去の投稿」欄につきましては、2005年7月のブログ開始以来の年月(投稿記事数)をすべて表示しておりましたが、4年以上経過しまして投稿年月のみでも相当なスペースを占めることになり、ご覧いただく方々にはご不便をおかけしたと思います。

このたび、年単位で(例 ・2009年)折りたたんで表示するよう設定を変更いたしました。該当の年をクリックいただきますと、その年のすべての月が表示されます。カッコ内は従来とおりその月に投稿した記事数となります。

引き続き拙ブログをよろしくお願いいたします。

JUGEMテーマ:日記・一般
【2009. 11. 21 (土)】 author : 六条亭
| 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
歌舞伎名舞台のCD企画発売
本20日付けの朝日新聞夕刊に歌舞伎名舞台のCDについて触れた記事があったので、発売元のワーナー・ミュージックのサイトを調べてみたところ、掲載されていない。それでは、とGoogle検索をかけたところ楽天市場にあるワーナーミュージック・ダイレクトから発売されていることが分かった。

その内容を早速詳細に見てゆくと、今までの歌舞伎に関するCDにない特徴が売り物である。

400年の歴史と伝統を誇る芸能、「歌舞伎」。
そして今年開場120年を迎えた歌舞伎の殿堂「歌舞伎座」が、来年の春に全面的な改築・建て替えが行われるというニュースが発表されるや、昨今の「歌舞伎」ブームにもさらに拍車がかかる状況となっております。
すでにテレビ番組で特番が組まれるなど、現在の歌舞伎座が見納めとなる来春に向けて「歌舞伎」がますます話題となり大きな注目が集まってゆくことは間違いないところでしょう。

○名優たちの歴史的アーカイブ
ここに収められた名舞台の数々は、今ではもう観ること・聴くことの出来ない名優たちの歴史的名演や、現代のトップ・スターたちの若き日の熱演が数多く収録された歴史的アーカイブとしても貴重です。

○マルチ録音による迫力のステレオ・サウンド!
本作品では、録音も記録用音源などとは全く違い、この作品の収録の為に舞台・花道・観客席などに多くのマイクをセッティングして録音された、臨場感溢れるステレオ・サウンド録音です。
また今回のCD化にあたっては最新のデジタル・リマスタリングを施しております。歌舞伎舞台の迫力を再現するダイナミックなサウンドをお楽しみ下さい。

○豪華なブック型仕様に詳細な解説書付
本商品の体裁は、書籍型のハード・カバー仕様で、レコード発売当時のアートワークもあしらった豪華仕様のケースに収納された愛蔵版仕様。
今回初めて聴き起こしにより完成された上演台本のほかに、解説・聴きどころ、また役者さんへの当時のインタビュー(河庄)など盛り込んだ豪華ブックレットが附属しています。
また伝統芸能ソフトとしてもお求めやすい価格となっております。

そのラインナップは次のとおりで、大変豪華な顔合わせによる名舞台をほぼ全幕収録しているから貴重なものばかりである。過去にLPレコードで発売されたような書き方であるが、これらの音源について少なくとも私ははじめて知った。CD化にあたってデジタル・リマスタリングを施しているなら、クラシックのCDでも体験済みのとおり、鮮明な音になって蘇っていると思われる。第3巻は国立劇場収録分であるが、これほどの舞台を収録しているのであれば、映像も残っているのではとも思うのであるが、DVDとして発売がないことが惜しまれる。各巻CD4枚組で、税込・送料込みで7,800円は少々お高い気もするが、ブックレットもあわせて考えると、妥当な価格設定かもしれない。私個人としては、玉三郎の「野崎村」は是非とも購入したいものである。

さようなら歌舞伎座
〜 今、甦る歌舞伎の名舞台! 〜歌舞伎名舞台<1>菅原伝授手習鑑〜寺子屋/刺青奇偶

◆菅原伝授手習鑑 「 寺子屋 」  全幕
幸四郎の松王丸、歌右衛門の千代、仁左衛門の源蔵、芝翫の戸浪。
四大名優が描き出す空前の名作歌舞伎!
八代目松本幸四郎 十三代目片岡仁左衛門 七代目中村芝翫 六代目中村歌右衛門 他
  <昭和五十四年一月大歌舞伎/歌舞伎座>
◆「刺青奇偶」  全幕
勘三郎(半太郎)と玉三郎(お仲)の黄金コンビによる世話狂言の極付!
 懐かしい音羽屋(松緑)の政五郎が舞台を引き締める。
十七代目中村勘三郎 五代目坂東玉三郎 五代目中村勘九郎 二代目尾上松緑 他
  <昭和五十三年十一大歌舞伎/歌舞伎座>

さようなら歌舞伎座
〜 今、甦る歌舞伎の名舞台! 〜歌舞伎名舞台<2> 箱根霊験誓仇討/心中天の網島〜河庄

◆「箱根霊験誓仇討」  箱根山中施行の場 / 同、白滝の場
勘三郎の勝五郎、歌右衛門の初花、幸四郎の滝口と筆助。
昭和歌舞伎の三大名優が遺した記念碑的名舞台!
十七代目中村勘三郎 六代目中村歌右衛門 二代目中村芝鶴 八代目松本幸四郎 他
   <昭和五十三年十月大歌舞伎/歌舞伎座>
◆心中天の網島  「 河庄 」  全幕
 雁治郎の治兵衛、扇雀の小春、仁左衛門の孫右衛門、上方三大名優の競演による和事歌舞伎の決定版!
二代目中村雁治郎 二代目中村扇雀 六代目澤村田之助 十三代目片岡仁左衛門 他
  <昭和五十四年一月大歌舞伎/歌舞伎座>

さようなら歌舞伎座
〜 今、甦る歌舞伎の名舞台! 〜歌舞伎名舞台<3> 新版歌祭文〜野崎村/勧進帳

◆新版歌祭文 「 野崎村 」  全幕
勘三郎の久作、玉三郎のお染、藤十郎の久松、勘九郎のお光。
花形とベテラン俳優で贈る当代最高の「野崎村」!
十七代目中村勘三郎 五代目坂東玉三郎 五代目中村勘九郎 五代目澤村藤十郎 他
  <昭和五十四年一月公演/国立劇場>
◆歌舞伎十八番の内 「勧進帳」  全幕
豪快=染五郎、颯爽=孝夫、気品=勘九郎。
三大花形俳優が火花を散らす、ご存知「安宅の関」。
歌舞伎人気度No.1!
六代目市川染五郎 五代目中村勘九郎 初代片岡孝夫 他
  <昭和五十四年六月公演/国立劇場収録>


【2009. 11. 20 (金)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(14) | trackbacks(0) |
ノリントンのハイドン『ロンドン・セット』全曲発売予定
サー・ロジャー・ノリントンと言えば、つい最近まではピリオド楽器のオーケストラであるロンドン・クラシカル・プレイヤーズを指揮して、バロック音楽から古典派まである意味では過激な演奏と評されるCD録音をリリースしていたように記憶している。しかし、実際に聴いてみるとピリオド楽器を自在にコントロールして、清新で生き生きとした演奏を披露していたように思う。そういう点では一昔前のアーノンクールと同じように食わず(聴かず)嫌いの評価だったのではないか?

それがシュトゥットガルト放送響の首席指揮者に就任した時期あたりから、流れが変わりはじめたようで、その録音活動も高い評価を受けるようになって来た。ノリントンそのものがそれほどに大きく変わったとは思えないのだから、面白いものである。そんなノリントンがハイドン・イヤーの掉尾を飾って『ロンドン・セット』全曲を、それもすべて最新のライヴ録音でリリースするという。モーツァルトやベートーヴェンの交響曲とならぶ一大注目盤になりそうである。

ノリントン&SWR響/『ロンドン・セット』全曲

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【2009. 11. 19 (木)】 author : 六条亭
| クラシック音楽 | comments(0) | trackbacks(0) |
佐々木譲『巡査の休日』を読む
14日から公開されている映画『笑う警官』からはじまった佐々木譲の道警シリーズも、『警察庁から来た男』『警官の紋章』(そのレビューは、こちら)と続き、今回の『巡査の休日』はその第4作目である。

前作で一応完結したような形になっているシリーズであるから、本作品単独でも十分警察サスペンスとしての面白さは味わえるが、主人公の佐伯警部、小島百合巡査、津久井刑事、新宮刑事の四人は同じであり、前三作品を読んでいた方が話の流れは分かりやすい。

小島巡査が以前風俗営業で働いていた女性をストーカーから守ったが、その犯人が負傷・入院中の病院から逃走し、姿をくらます。神奈川県で起きた現金強奪未遂事件にその犯人が関与していた疑いが強まり、捜査を進めているうちに、ふたたび同じ女性に脅迫メールが届く。初夏の札幌を舞台に行われる北海道の一大イベント「よさこいソーラン祭り」にあるチームに参加して踊る彼女の護衛として、小島巡査がはりつき、自らも旗手として踊ることになる。

プロローグとエピローグの間に火曜日から土曜日まで日を追って物語がぐんぐんと展開して行き、脅迫犯が徐々に迫って来るサスペンスはよさこいソーラン祭りとともに緊張の度合いが高まり、意外な真相に辿り着く。地味な捜査で事件解決に向かってゆく刑事たちの姿を克明に描く作者の手腕はいつもながら巧みである。本作品では佐伯警部は脇役のような形で、自分のプライヴェートの問題として過去の事件を片付けるためにキャンセルした小島巡査とのデート予定だった日曜日の休日が、思いもかけない結末に苦笑するのがタイトルの意味するところであろう。佐伯警部を除く三人がそれぞれ成長して、事件を解決してゆくけれども、四人の連帯は固いように見受けられる。さらにこの道警シリーズは続いて行くのだろうか?

警察小説というジャンルがあるとすれば、今野敏という優れた書き手は現れているが、作品の構想の骨太さとディテールのリアルさから言っても、佐々木譲は間違いなく第一人者である。

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【2009. 11. 16 (月)】 author : 六条亭
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十二月大歌舞伎の詳細な配役
昨日の歌舞伎座観劇時に入手した十二月大歌舞伎の詳細な配役が載っている本チラシが、歌舞伎美人にアップされています。こちらをご参照ください。なお、夜の部の開演時間が午後4時45分〜に変更になっています。

以下、メモ代わりに再度演目と配役をアップします。しかしながら、昼の部の宮藤官九郎の新作『大江戸りびんぐでっど』は一体どんな作品になるか、相変わらず分かりません。

歌舞伎座さよなら公演
十二月大歌舞伎

平成21年12月2日(水)初日〜26日(土)千穐楽

【昼の部】(午前11時開演)

一、操り三番叟(あやつりさんばそう)

三番叟 : 勘太郎
後見 : 松 也
千歳 : 鶴 松
翁 : 獅 童


二、新版歌祭文

 野崎村(のざきむら)

お光 : 福 助
お染 : 孝太郎
後家お常 : 秀 調
久作 : 彌十郎
久松 : 橋之助


三、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん )

山蔭右京 : 勘三郎
太郎冠者 : 染五郎
侍女千枝 : 巳之助
侍女小枝 : 新 悟
奥方玉の井 : 三津五郎


四、大江戸りびんぐでっど(おおえどりびんぐでっど)

半助 : 染五郎
お葉 : 七之助
大工の辰 : 勘太郎
根岸肥前守 : 彌十郎
遣手お菊 : 萬次郎
丁兵衛 : 市 蔵
与兵衛 : 亀 蔵
佐平次 : 井之上隆志
和尚実は死神 : 獅 童
石坂段右衛門 : 橋之助
女郎お染 : 扇 雀
女郎喜瀬川 : 福 助
四十郎 : 三津五郎
新吉 : 勘三郎


【夜の部】(午後4時45分開演)

一、双蝶々曲輪日記

 引窓(ひきまど)

南与兵衛後に南方十次兵衛 : 三津五郎
濡髪長五郎 : 橋之助
平岡丹平 : 秀 調
三原伝造 : 巳之助
母お幸 : 右之助
お早 : 扇 雀


二、御名残押絵交張(おなごりおしえのはりまぜ)

 雪傾城(ゆきけいせい)

傾城 : 芝 翫
役者栄之丞 : 勘太郎
芝居茶屋娘お久 : 七之助
新造香梅 : 児太郎
雪の精 奴 : 国 生
雪の精景清 : 宗 生
雪の精 禿 : 宜 生


三、野田版 鼠小僧(のだばんねずみこぞう)

棺桶屋三太 : 勘三郎
お高 : 福 助
與吉 : 橋之助
大岡妻りよ : 孝太郎
稲葉幸蔵 : 染五郎
目明しの清吉 : 勘太郎
おしな : 七之助
さん太 : 宜 生
與惣兵衛 : 井之上隆志
凧蔵 : 猿 弥
辺見勢左衛門 : 亀 蔵
独楽太 : 市 蔵
番頭藤太郎 : 彌十郎
おらん : 扇 雀
大岡忠相 : 三津五郎

【2009. 11. 15 (日)】 author : 六条亭
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