徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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皆さま、よい年をお迎えください
今年も残すところあと一日。歌舞伎座さよなら公演に一喜一憂した一年でした。もちろん国立劇場、新橋演舞場などでも多くの歌舞伎公演が行われ、東京における歌舞伎公演のほとんどを観劇できましたが、後半は私的な事情もあり、観劇感想が雑駁なものになってしまいました。来年は泣いても笑っても現歌舞伎座での公演は残り僅か四ヶ月、未発表に三・四月の演目に期待しつつ、悔いの無い観劇と観劇記録を残せればと思います。

今年も拙ブログに多くの方々に訪問いただき、またコメントも多数頂戴し、交流の輪がさらに一層広がったことは大きな喜びでした。今年一年拙ブログに対しまして賜りましたご厚情に心より感謝申しあげるとともに、皆さまがよい年を迎えられますようお祈りいたします。

JUGEMテーマ:日記・一般


【2009. 12. 30 (水)】 author : 六条亭
| お知らせ | comments(5) | trackbacks(0) |
お正月の歌舞伎関連テレビ放送
既にテレビガイド誌が発売中であるからご存知の方も多いでしょうが、毎年お正月は歌舞伎関連のテレビ放送が目白押しです。自分のメモ代わりに以下にまとめます。

・1月1日(金)NHK教育 午後2:00〜4:00 新春桧舞台 勘三郎ほかによる新歌舞伎十八番の内『船弁慶』ほか
・1月2日(土)NHK教育 午後2:00〜4:00 新春桧舞台 富十郎と長男の中村鷹之資親子共演を見せる長唄の舞踊「連獅子」
・1月2日(土)NHK教育 午後7:00〜10:00 『こいつぁ春から〜初芝居生中継〜』
・1月3日(日)NHKBS2 午後0:10〜4:00 平成22年 初春・お茶の間招待席 国立劇場初春公演『旭輝黄金鯱』(あさひにかがやくきんのしゃちほこ)生中継
 


【2009. 12. 29 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(0) | trackbacks(0) |
『頼朝の死』『一休禅師』『修禅寺物語』−国立劇場十二月公演の感想
当初観劇予定を入れていなかったが、評判を聞いて急遽チケットをとって観劇した国立劇場十二月公演。22日に観劇した。真山青果、坪内逍遥、岡本綺堂の三人に作になる新歌舞伎特集という趣向である。『一休禅師』の舞踊は初見であるが、『頼朝の死』と『修禅寺物語』は新歌舞伎の傑作とは言うものの、今までの観劇体験では地味な印象しか受けておらず、あまり食指が動かなかった。しかし、観劇して大正解であった。それは演技巧者の富十郎と吉右衛門を中心にして、緊密かつ濃厚な芝居を作り上げていたからである。

『頼朝の死』

鎌倉幕府二代将軍源頼家が尊敬していた父頼朝の死の秘密をめぐってその真相を知りたいと苛立ち、苦悩する姿、幕府と源家のためには絶対それを阻もうとする母尼御台所北条政子の対立を頂点に、実は頼朝をあやまって手にかけてしまった畠山重保、重保を恋い慕うが頼朝が死んだ原因が自分にあると知り、懊悩の末秘密を口走ろうとした侍女小周防、そして鎌倉幕府を守り抜こうと政子に助勢する大江広元の五人が、目に見えない火花を散らす舞台空間は一瞬たりとも気が抜けない、重厚で濃密なものであった。

吉右衛門二十四年ぶりという頼家は、珍しい憂愁の貴公子である。ただひたすら父の死の秘密を知りたいと性急に、また憑かれたように事を進めるから時に癇が高ぶっているようにも見える。青果特有の歌うような台詞回しも万全であり、だからこそ富十郎の政子との応酬が見応え十分である。富十郎もまた珍しい女形であるが、高く張った台詞も年齢を感じさせない名調子で、その気迫たるや劇場全体を覆うばかりである。有名な「家は末代、人は一世」という台詞が、まさにこれ以上秘密を知ろうとしたら、我が子を殺してまでも家を守るという気概に満ち満ちて胸に迫ってきたことははじめてである。

歌昇の重保は主君を弑してしまったが、その秘密を漏らすことが出来ない家臣としての苦渋を表現してあますところがない。この役の大きさ・重要性も歌昇によってあらためて見直すことが出来た。芝雀の小周防も可憐な恋する乙女が、頼朝の死の秘密を知ったがために、頼家に責められ、ついには重保の斬られてしまう、これまた一方の悲劇の人であった。歌六も重厚で申し分ない出来。

『一休禅師』

高齢の一休禅師が、地獄太夫という遊女と問答をしながら軽妙にまた艶やかに舞う長唄舞踊。どちらかと言うと富十郎の長女渡邊愛子の子供ながらも愛らしく踊る禿に目が行ってしまった。大舞台にも臆せず堂々と踊り、花道を引っ込むさまはただただ感心するばかりであり、富十郎・魁春を食ってしまってさえいたように思う。

『修禅寺物語』

富十郎の監修によるとある。吉右衛門初役の夜叉王である。面作師としての芸術家魂が瀕死の娘を前にしても発揮されるのが主題であるが、意外にして吉右衛門の老け役がやや気迫不足に感じられた。それは老けを感じさせるように意図的に台詞を歌わないためかもしれない。吉右衛門ならばこそさらに奥深い夜叉王が可能であろう。

芝雀の娘かつらが気位が高く、望みとおり頼家の室になるが、北条方の夜討ちにより、父の作った面をつけて奮戦しつつ息を引き取る役で、『頼朝の死』とは好対照の意志の強い女を好演している。段四郎の春彦が驚くほどの若さで、かつらの妹婿に見えるのだから、立派なものである。頼家つながりで、ここの頼家は錦之助。吉右衛門の頼家を見てしまうと線の細さが気になってしまう部分もあるが、癇性の性格で悲劇の貴公子将軍という雰囲気はよく出ていた。ほかに種太郎、高麗蔵も好助演。

【2009. 12. 27 (日)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(7) | trackbacks(0) |
今年の観劇納めは…
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歌舞伎座千穐楽夜の部観劇です。
【2009. 12. 26 (土)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(4) | trackbacks(0) |
分冊百科『週刊池波正太郎の世界』(朝日新聞出版)の創刊
朝日新聞出版から『週刊池波正太郎の世界』が分冊百科の形で創刊された。全30巻で、三大シリーズの『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』、そして文庫本で全12冊の大長編『真田太平記』のほか、傑作短編時代小説を取り上げるビジュアル本である。

分冊百科『週刊池波正太郎の世界』(朝日新聞出版)

写真や古地図、一流画家の挿絵(とくに第1巻の鬼平を書いている中一弥画伯は98歳で現役だから凄い!)、そして池波正太郎と言えば江戸グルメであるが、それらの特集が豊富に収録されているようである。

池波正太郎没後20年特別企画だそうで、もうそんなに時が経ったのかと驚いてしまう。池波正太郎が亡くなっても、折に触れてその作品を読んできたものには常に作者の肉声を聞いてきたようにも思える。

つい先日も『真田太平記』を読み始めたら、止まらずノンストップに近い状況で読み終わった。信州真田家の運命を草の者と呼ばれる真田忍びを絡ませて、虚実取り混ぜて描く戦国絵巻である。作者独自の語り口が随所に現れるが、短編とは異なり全編を貫いて構想と主題が一貫している長編小説である。いずれまたレビューを書いてみたい。

JUGEMテーマ:読書
【2009. 12. 25 (金)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(4) | trackbacks(0) |
歌舞伎会チケットサイズのクリアファイル
歌舞伎会チケットクリアファイル(1)

今日歌舞伎会から平成22年度のゴールド会員(特別会員も共通のようであるが)の案内書がメール便で送られてきた。例年であれば歌舞伎会のカード入れが送られてくるのだが、今年は封筒が大きいので何が封入されているか?と早速開けてみたところ、ゴールド会員登録のお知らせとともに、「記念品としてチケットサイズのクリアファイルを贈呈致します。さんなら公演の特別版チケット封筒の保管や日常用としてご活用頂ければ幸いです」とあった。上の写真のようなクリアファイルが同封されていた。

ものぐさな私としては、いつも送られてきたチケットを封筒のまま無造作に持っているのみであるので、この見開きで4枚のチケットを収納できるクリアファイルは整理・保管に便利で、大変ありがたい。壽初春大歌舞伎のチケット封筒はこんな感じになる。もっともこの分がチケット代に跳ね返っているようで心配でもある。

歌舞伎会チケットクリアファイル(2)

【2009. 12. 24 (木)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(8) | trackbacks(0) |
竹本葵太夫の親子共演の詳細!
竹本葵太夫のHPただいま(今月のお役)のページで、十一月新橋演舞場『三人吉三巴白浪』の大詰め櫓の場で実現した二日間のみの親子共演について、ご本人がようやく詳しく書かれている。

さすがに葵太夫も「ただならぬ事態」としてキーボードをうつのも構えてしまっておられたのは、ご子息の実質初舞台での親子共演であったからであろう。「私もやはり「いつも通り…」と思っても緊張してしまい、粗相の無いようお行儀よく勤めて欲しいと、それのみ願っておりました」というのも親心であろう。また一方で清元の道に進むことは賛成されながらも、写真にあるように違う肩衣を着ているご子息に対してさみしさもおぼえらえたことも伝わってくる文章である。これからのご子息の清元の太夫としての大成を願わずにはいられない。

【2009. 12. 22 (火)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
「2009年、あなたが一番好きだった歌舞伎は何?」のアンケート!
いつもお世話になっています「ご機嫌!歌舞伎ライフ」の管理人yukiさまより、拙HP「六条亭雑記」掲示板「賓客(まろうど)の間」にて、本年度も「2009年、あなたが一番好きだった歌舞伎は何?」のアンケートを開始する旨お知らせをいただきました。

「来年は今の歌舞伎座最後の年ということで5回目となりますこのアンケートも今回で一応くぎりをつけ、最終回としたいと思っております」とは残念ですが、くぎりということで止むを得ないと思います。最終回となる本年度のアンケートに一人でも多くの方々にご参加をお願いいたしたく、例年通り拙ブログでも全面的にご協力いたしたいと考えまして、記事にさせていただきました。アンケートの詳細は次の通りです。

「2009年、あなたが一番好きだった歌舞伎は何?」のアンケート(yukiさまのサイト)

受付期間:2010年1月31日まで
投票方法:メール
または掲示板への書き込み

投票していただく際は
1.演目名
2.劇場名(または場所)
3.上演月(お判りにならない場合は結構です)
4.印象に残った役者さんの名前
などを判るだけで結構ですのでお書きいただきください。

ベスト3まで受付ております。
ベスト3で投票してくださった場合は
1位:5点、2位:3点、3位1点として集計いたします。
ひとつだけお書きになった場合は5点となります。

ご参考までに 演目メモを作成しましたが、これに載っていないものでももちろん結構です。

また東京とそれ以外の都市で行われた公演では投票数に差がついてしまうので、分けて集計することにいたしました。

ふるってご参加くださいますようよろしくお願いいたします。

なお、yukiさまの作成された「2009年演目メモ」も投票にあたって大変参考になると思います。それでは是非とも皆さまにふるってご参加いただきますよう、不肖私よりもよろしくお願いいたします。

【2009. 12. 21 (月)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(12) | trackbacks(0) |
宮部みゆき『長い長い殺人』を読む
評価:
宮部 みゆき
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¥ 620
(1999-06)
Amazonランキング: 68753位
Amazonおすすめ度:
おもしろかった
財布の視点!
キャラが出過ぎ

最近また長編時代小説を集中して読んでいる(もっとも再読が多いが)ため、なかなかレビューが書けない。そこで気分転換に、と言っては申し訳ないが、宮部みゆきの初期の長編ミステリー『長い長い殺人』を読んだ。これは大正解。今までなぜこの作品を読んでいなかったか我ながら驚くくらい面白く一気に読んでしまった。

形は短編連作であるが、全体としては保険金交換殺人事件をめぐるミステリーになっている。しかし、一番驚くのがその語り口の手法で、なんと事件関係者−刑事、強請屋、被害者の甥の少年、私立探偵、目撃者、容疑者の旧友、証人などの持っている財布がそれぞれ持ち主を通して事件を多面的に語るという手の込んだものである。一見あざといようにも見えるが、本作品ではそれがとても効果的で、しかも財布と持ち主の個性まで鮮やかに描き分けている。

しかも、この語りが事件の複雑さを浮き彫りにして、明らかに容疑の濃い男女二人をマスコミが追いかける展開も有名な保険金をめぐる疑惑事件も想起させる。そして一度は捜査が暗礁に乗り上げかけるが、意外な登場人物が現れて事件は急転直下解決に向かう。このストーリーもミステリーとして極上の面白さである。事件で傷ついて家出した少年を刑事と私立探偵が発見していたわりながら立ち直らせるエピローグも、いつもながらの宮部作品の温かさで締めくくられる。

JUGEMテーマ:読書
【2009. 12. 20 (日)】 author : 六条亭
| 読書 | comments(2) | trackbacks(0) |
四月の新橋演舞場は通し狂言『四谷怪談忠臣蔵』
歌舞伎座さよなら公演の最終月である四月の新橋演舞場は、澤瀉屋一門による陽春花形歌舞伎として通し狂言『四谷怪談忠臣蔵』が上演される。久しぶりに彌十郎が大星由良之助役で澤瀉屋一門と共演する。なお、この演目は外題通り四谷怪談と忠臣蔵を綯い交ぜにしたもので、平成十五年七月の猿之助歌舞伎で上演されたものと同じである。その時の公演情報は、こちら。多くの配役がその時と共通している。

歌舞伎美人は、こちら

通し狂言『四谷怪談忠臣蔵』
仮名鑑双繪草紙 (かなでほんにまいえぞうし)
市川右近宙乗り相勤め申し候

平成22年4月1日(木)初日〜23日(金)千穐楽

新田義貞の霊/直助権兵衛
天川屋義平  
暁星五郎実は新田鬼龍丸  : 市川 右 近
佐藤与茂七/義平女房おその : 市川 門之助
高師直/按摩宅悦 : 市川 猿 弥
斧定九郎 : 市川 春 猿
猪熊局後に伊右衛門母お熊 : 市川 寿 猿
小汐田又之丞 : 市川 弘太郎
民谷伊右衛門 : 市川 段治郎
お岩/小仏小平/一文字屋お軽 : 市川 笑三郎
塩冶判官/お袖 : 市川 笑 也
大星由良之助 : 坂東 彌十郎

料金(税込み)

1等席  :  13,000円
2等A席 :   8,000円
2等B席 : 7,000円
3階A席 : 5,000円
3階B席 : 3,000円
1階桟敷席 : 14,000円


【2009. 12. 18 (金)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
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