先月の後半から本棚の設置とそれにともなうCD・DVD、書籍の整理、そして室内の模様替えなどに時間を取られることが多く、観劇感想も溜まったままです。くわえて関係しているOB会のプロジェクトも結構忙しく、下旬に入ってもなかなか落ち着きません。
クラシック音楽関係ではレーザー・ディスク(LD)の整理がやっかいです。というのはDVD化されたものは出来る限りDVDを買い直していますが、そうそう予算が許しません。また歌劇や声楽曲が日本語字幕の問題がありますから、輸入盤のDVDはどうしても手が出ません。しかも、LDはプレイヤー自体が出回っていませんから、ディスクは価値なしと見なされ、中古処分もできません。幸いというか我が家のLDプレイヤーはまだ健在ですから、可能な限りDVD化しようと、ぼちぼちと観直している訳です。
写真のディスクは二枚組のメトロポリタン・オペラ・ガラ1991です。今年5月に輸入盤でようやくDVD化されました。このディスクはボックス入りで、LPを思わせる作りは今では持ってるだけで贅沢な気分を味あわせてくれます。
メトロポリタン・オペラ・ガラ1991
このオペラ・ガラ・コンサートは1991年9月にリンカーン・センター25周年を記念して行われた時の映像です。ガラ・コンサートといえば通常は歌劇の有名なアリアをソロやデュエットで綺羅星のように人気歌手が総出演して歌うのですが、このガラ・コンサートは異色です。ヴェルディの『リゴレット』、『オテロ』からそれぞれ第3幕、J・シュトラウスの『こうもり』第2幕が上演され、ガラ・パフォーマンスも豪華極まりないゲストが出演です。演出もオットー・シェンク、フランコ・ゼフィレッリという定番のもの。
『リゴレット』ではパヴァロッティのマントヴァ公爵が歌う「女心の歌」や有名な四重唱を中心に、身代わり殺人によって息絶えるジルダのアリアをステューダーが美しく歌い上げるのが聴きもの。殺し屋役のギャウロフもさすがに存在感が違います。『オテロ』は正規盤としては唯一ドミンゴのオテロ役とフレー二のデズデモナ役の共演が貴重です。
『こうもり』もプライが当り役のアイゼンシュタインですから、言うことはありません!ゲスト出演の歌手は書き切れませんが、フォン・シュターデ、ハンプソン、バトル、レイミー、フレーニ等がお得意の歌をたっぷりと聴かせてくれます。そして極めつけはドミンゴがパヴァロッティと『ボエーム』のデュエットを歌っていることです。しかも、ミミを当り役にしているフレーニを後ろにしてのものですから、たまりません。司会役のオルロフスキー(アンネ=ゾフィー・フォン・オッター)がぴったりとはまっていて中性的な魅力をふりまいています。
このガラ・コンサートは芸術監督のレヴァインがそのすべてを引き締まった音楽で指揮しているのも出色です。