ブログは4カ月放置で申し訳ありません。関係している団体の仕事も三月から慌ただしく、先月後半からどうやら落ち着いてきました。
さて、昨日は七月大歌舞伎の初日を通して観劇してきました。
玉三郎、海老蔵に加えて猿之助、中車、獅童という人気役者が出演するとあってか、チケットは先行予約で完売となる状況でした。とりあえず昼の部の簡単な感想から。
昼の部、 『八犬伝』、芳流閣の立ち回りからがんどう返し、圓塚山のだんまりが見どころ。しかし、この出し方は本来原作からは逆であろう。梅玉を主役に据えた花形中心の混成チームによる舞台。いかにも間に合わせという印象。なかではさすがに梅玉の怪異さが大きく、梅丸の若衆ぶりが目を引く。
『切られ与三』、見染めから出しているのは丁寧で結構。だが海老の台詞は見染めではいささかわざとらしい。源氏店の名台詞はまずまずの及第である。猿弥の藤八は余人をもって替えがたい滑稽味がある。玉三郎のお富は花道の出でジワが来る美しさ!
源氏店も玉三郎の巧みさが際立つ。中車もこういう役だとなかなか立派。ただ、まだ台詞が歌舞伎に馴染んでいない。
『蜘蛛絲梓弦』は猿之助が六役早替わりで勤める。女形舞踊を堪能できるのが嬉しい。身体能力の高さ、キレ、どれをとっても素晴らしい!常に妖怪美があるのも猿之助ならではである。早替わり、そしてどこから出て、どこへ引っ込むかも楽しめる。舞台一面に蜘蛛の絲また絲である。海老蔵は押し戻す。
なお、秀山祭九月大歌舞伎の演目と配役が発表されていました。玉三郎、梅玉、染五郎、菊之助も出演する豪華なものです。夜の部に『伽羅先代萩』が通し狂言で出るのも嬉しいことです。
歌舞伎美人の秀山祭の公演情報は、
こちら。