徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
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【2018. 08. 18 (土)】 author : スポンサードリンク
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模擬店-第38回俳優祭 (その三)

(模擬店案内図の一部)

俳優祭においてご見物の方々がもっとも楽しみにしているのが、この模擬店でしょう。軽食、俳優祭グッズ、写真館、お土産など役者さんがすべて直に販売してくれるのですから、普段舞台上の役者さんがぐっと身近に感じられる機会です。お店は一階から三階まで分散してぎっしりと配置されています。ですから、プログラムを購入して、まず最初にそこに挟み込まれている模擬店案内図を見て、贔屓役者がいるお店をどこからどう回ろうかとシミュレーションする必要があります。

写真撮影は原則は禁止ですが、スマホ等が普及した今、迷惑にならない程度にと緩和されています。亀三郎さんが、#俳優祭38としてSNSにもあげてOKと説明していました。実際には役者さんたちも気軽に撮影に応じてくれていました。ただし、人気役者さんの場合はかなり厳しかったと思います。人気役者のお店は買い物兼写真撮影で押すな押すなの大盛況です。模擬店回りにあてられている時間は約一時間です。

私は昼夜三階席でしたから同行の方とまず菊之助さんの俳優祭グッズ売り場を無事クリアーしてから、軽食を販売している花籠へ。ここはスペース的には幾分余裕があるものの、それでも好きなものを買うのに一苦労です。

二階の写真館に行ってみましたが、石橋を踊った若手花形が獅子の拵えのまま撮影するとあって、長い列。とても無理と諦めて、他へ。中村屋のところも昼は側へも寄れませんでした。その後はアトランダムに劇場内を回りました。

俳優祭の良いところは、幹部の方のみならず、お弟子さんである名題さん、名題下さんたちとも気軽にお声をかけてお話ができることです。今回とくに印象に残ったのは美吉屋の吉弥さん、成田屋の新十郎さん、かぐや姫の脚本を京蔵さんと共同で書いた咲十郎さんたちです。

また、ツイッターで本格的につぶやくようになって、交流させていただいている方々とも短時間ですが、ご挨拶、お話ができたことは本当にありがたいことでした。俳優祭は役者さんの文化祭ですが、ファンのお祭でもある訳です。

ただ、亡くなった歌江丈ほかで開催され、俳優祭の名物でもあった幕間シアターは残念ながら今回はありませんでした。新装開場後はじめての開催であった前回第37回では歌舞伎座の舞台を使って行われていたので、復活を望みたいと思います。

また夜の部のはじまる前にすでに金券が品切れになったり、逆にプログラムがやや余った(そのためか、終演後に若手花形が先頭に立って販売していた!)ことなど再検討が必要な運営上での課題も残ったようです。

最後に今回の俳優祭開催の実務上の中心となった亀三郎丈(亀三郎として最後の舞台と模擬店開催前の説明において)に心から感謝するとともに、関係者各位のご努力にも御礼を申し上げたいと思います。
【2017. 04. 03 (月)】 author : 六条亭
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舞踊二題 上『二つ巴』 下『石橋』-第38回俳優祭(そのニ)


そのニははじめの舞踊二題

上『二つ巴』

『石橋』は文字通り石橋もので、しかも前日までの情報で若手花形が揃い踏みして獅子の毛振りをするであろうとはSNSにあがっていた情報から予想はついたのですが、となると『二つ巴』は中堅と若手の群舞になるのかなとしか考えられませんでした。

プログラムをみると、二つ巴は大星家の家紋であり、仮名手本忠臣蔵の有名な七段目と十一段目を素踊りで群舞、とありました。これははじめてです。幕が開くとすっきりとした舞台装置を背景に祇園一力茶屋の場面です。仲居(門之助、笑也、笑三郎)の三人は外面は男性でも柔らかく、さすがにいつも女形をされている役者さんたちです。

そこへ芝翫の由良之助が現れます。素踊りですと芝翫はいやに大きく見えますね。ニンとしては彼が由良之助を本役にするでしょうね。三人侍(錦之助、高麗蔵、松江)との駆け引きもあります。力弥(鷹之資)は踊り、品ともに申し分がありません。おかる(扇雀)との虚々実々の色模様もそれらしく見えます。素踊りは基本は扇子一つと所作で表現するのですから、踊る人の力がもろに分かってしまい難しいと思いますが、後味のよい踊りでした。

十一段目に入るとわらわらと塩冶浪士の主に御曹司たち(男女蔵が主ですが、飛び抜けて年齢的に上です)が現れて、舞台一杯に高家家臣たちと斬り結びます。あそこに誰がいる、こちらに誰がいるなどと見ているうちに、舞台は松緑の小林平八郎と亀寿の竹森喜多八の泉水の激しい立ち廻りになります。息のあった二人の本興行での舞台さながらの激しい立ち廻りは見どころ満点でした。

最後は本懐を遂げた塩冶浪士たちが揃って幕。

下『石橋』

幕開きは拵えをした鳶頭の又五郎。若い者との絡みを颯爽と踊った後、舞台が割れて大セリで仔獅子(白)が四人石橋に乗って上がって来ます。四人は松也、巳之助、隼人、橋之助。彼らが踊りだすと、今度は花道から仔獅子(赤)が四人現れます(壱太郎、尾上右近、米吉、児太郎)。娘の仔獅子という設定でしょうかね、裾をひいています。絵面も美形揃い。

やがて本舞台に八人が揃って、ダイナミックに毛振りをするのは壮観です。言わば八人連獅子。観ている方も運動競技を観ているような錯覚におちいります。尾上右近が頭一つ抜けて身体にキレがあります。もちろん他の七人も若さにまかせて振っている部分もありますが、まずは無難にこなしていて、大いに盛り上がりました。昼のよりも夜の方が数多く振っていたように思いました。

又五郎を上置きにした二月松竹座の拡大ヴァージョンという感じでした。それにしても俳優祭で若手花形による踊り一幕が出せたのですから、まさに世代交代を実感しました。

【2017. 04. 01 (土)】 author : 六条亭
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