(模擬店案内図の一部)
俳優祭においてご見物の方々がもっとも楽しみにしているのが、この模擬店でしょう。軽食、俳優祭グッズ、写真館、お土産など役者さんがすべて直に販売してくれるのですから、普段舞台上の役者さんがぐっと身近に感じられる機会です。お店は一階から三階まで分散してぎっしりと配置されています。ですから、プログラムを購入して、まず最初にそこに挟み込まれている模擬店案内図を見て、贔屓役者がいるお店をどこからどう回ろうかとシミュレーションする必要があります。
写真撮影は原則は禁止ですが、スマホ等が普及した今、迷惑にならない程度にと緩和されています。亀三郎さんが、#俳優祭38としてSNSにもあげてOKと説明していました。実際には役者さんたちも気軽に撮影に応じてくれていました。ただし、人気役者さんの場合はかなり厳しかったと思います。人気役者のお店は買い物兼写真撮影で押すな押すなの大盛況です。模擬店回りにあてられている時間は約一時間です。
私は昼夜三階席でしたから同行の方とまず菊之助さんの俳優祭グッズ売り場を無事クリアーしてから、軽食を販売している花籠へ。ここはスペース的には幾分余裕があるものの、それでも好きなものを買うのに一苦労です。
二階の写真館に行ってみましたが、石橋を踊った若手花形が獅子の拵えのまま撮影するとあって、長い列。とても無理と諦めて、他へ。中村屋のところも昼は側へも寄れませんでした。その後はアトランダムに劇場内を回りました。
俳優祭の良いところは、幹部の方のみならず、お弟子さんである名題さん、名題下さんたちとも気軽にお声をかけてお話ができることです。今回とくに印象に残ったのは美吉屋の吉弥さん、成田屋の新十郎さん、かぐや姫の脚本を京蔵さんと共同で書いた咲十郎さんたちです。
また、ツイッターで本格的につぶやくようになって、交流させていただいている方々とも短時間ですが、ご挨拶、お話ができたことは本当にありがたいことでした。俳優祭は役者さんの文化祭ですが、ファンのお祭でもある訳です。
ただ、亡くなった歌江丈ほかで開催され、俳優祭の名物でもあった幕間シアターは残念ながら今回はありませんでした。新装開場後はじめての開催であった前回第37回では歌舞伎座の舞台を使って行われていたので、復活を望みたいと思います。
また夜の部のはじまる前にすでに金券が品切れになったり、逆にプログラムがやや余った(そのためか、終演後に若手花形が先頭に立って販売していた!)ことなど再検討が必要な運営上での課題も残ったようです。
最後に今回の俳優祭開催の実務上の中心となった亀三郎丈(亀三郎として最後の舞台と模擬店開催前の説明において)に心から感謝するとともに、関係者各位のご努力にも御礼を申し上げたいと思います。