徒然なる日々の条々を、六条亭が日記風に綴ります。本屋「六条亭雑記」もよろしく。
 
本HP「六条亭雑記」移転のお知らせ
2003年5月開設以来OCNのPageONサービスでお世話になってきた拙本HP「六条亭雑記」は、プロバイダーのサービスの終了にともない、下記のとおり新URLに移転しました。

「六条亭雑記」

http://rokujoutei.sakura.ne.jp/

最近はブログ、Twitterでの情報発信が中心でほとんど更新できていませんので、この際廃止すべきかどうかずいぶん迷ったのですが、ネット上の活動の原点であるとともに、少しは記録的な意味もあると思い、僭越ながらそのまま新しいURLに移転しました。

追々更新はいたすつもりですが、まずは引っ越し作業が無事完了いたしましたので、お知らせいたします。

JUGEMテーマ:日記・一般


【2015. 01. 21 (水)】 author : 六条亭
| お知らせ | comments(0) | trackbacks(0) |
パソコンの修理
大晦日は平穏に過ごせるはずだったが…(-.-;)。PCをちょっといじっていたら、操作中フッと画面が消えてしまう。メモリーとHDDは動いているのは確認できるのだが。一旦シャットダウンしたら、Windowsアップデートがなかなか終わらず、これまた不穏な動作。

同じような動きが何度も繰り返されるので、 業を煮やしてWindowsアップデートを強制的に終了させ、 直前の復元ポイントに戻る操作を実行。これまた画面が消える中を掻い潜って何度も試みてようやく完了。しかし画面が消える現象は変わらない。そこで外部入力に画面を切替えても同様に画面が20〜30秒で消えることが分かった。

これはどう考えてもディスプレイの故障。そこで元旦早々だが、購入家電量販店修理センターに連絡して修理依頼。親切に対応してもらうことができた。延長保証をつけてあるので、費用負担はほぼなさそう。しかしHDDに問題はないと思われるものの、万一の初期化に備えてバックアップはとっておかないといけない。幸い外付けのHDDにほぼ直近のものまでバックアップしてあるので、画面が消える状態ではおちおち操作もできず、結局腹を括って現況のまま修理に出すことにした。

元旦に染五郎の司会で放送した新春の伝統芸能の番組も実際の映像はほとんど観ることはできなかったが、録画はしっかりと動いていた。これもDiscに落とすことはとりあえず諦めた。3日に配送の集荷があって修理に出すことができた。しかし、こうしてPCがなくなってみると、テレビパソコンである(Blue-ray再生・録画機能付)から、修理期間中データの入力作業のみならず、映像と音楽関係がまったく視聴できないのだ。断捨離でパソコン一台に機能を集中させ過ぎた報いだろうか。

観劇の無い日は読書で過ごした。こういう静かな日々も悪くはない。しかしこれでTabletを持っていなければ、ネットからまったく遮断されてしまう。自分の生活がいかにネット上から情報を得て、またやり取りをしているかを痛感した。

修理は幸い 一週間で戻ってきた(^_^)/。ありがたや(*^^)v。やはりディスプレイのパックライトの故障で、HDDは問題なしだったとのこと。 非常に丁寧に梱包されたPCを取り出し、諸ケーブルを接続してセッテングする。電源オン、通常通りWindowsが起動した。異状なし。HDDも全ファイルともそのまま残っている。テレビ接続と受信、録画済番組の再生もまったく問題なし。Blue-rayの再生もまだ数枚だが、無事再生できた。ようやく元通りのPCライフに戻った(^^)v。

しかし、溜め込んだデータ入力の山が…(=_=)。

【2015. 01. 12 (月)】 author : 六条亭
| 日記 | comments(0) | trackbacks(0) |
本年もどうぞよろしくお願いいたします



明けましておめでとうございます!

本年も拙ブログならびにTwitterをどうぞよろしくお願いいたします。
【2015. 01. 01 (木)】 author : 六条亭
| 日記 | comments(10) | trackbacks(0) |
年末年始の歌舞伎関係の放送予定
今年の年末年始もEテレで歌舞伎関係の番組が多数放送予定です。歌舞伎美人に掲載の放送予定を下記します。歌舞伎美人ニュースは、こちら。

・12月26日(金)22:00〜23:00

にっぽんの芸能
今年の話題2014

三代目尾上左近襲名など、古典芸能に関する今年の話題を取り上げる。

・12月28日(日)21:30〜23:30

古典芸能への招待
京都南座顔見世大歌舞伎

演目:恋飛脚大和往来『新口村』
出演:中村梅玉 片岡秀太郎 片岡我當 ほか

演目:『仮名手本忠臣蔵』七段目 祗園一力茶屋の場
出演:片岡仁左衛門 中村七之助 中村壱太郎 中村勘九郎 ほか
(2014年12月 京都四條南座にて収録)

・1月1日(木・祝)13:00〜14:29

響宴!新春の伝統芸能

司会:市川染五郎

演目:舞踊『団子売』
出演:坂東巳之助 吾妻徳陽(中村壱太郎) ほか

演目:舞踊『雪の山中』
出演:市川染五郎 尾上紫 ほか

・1月2日(金)19:00〜21:30
こいつぁ春から

大阪松竹座と歌舞伎座を結んで初日の模様を生中継。
新橋演舞場「初春花形歌舞伎」、浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」の初日の模様も。

大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」舞台の模様を、中村鴈治郎のインタビューを交えて放送
演目:『封印切』
出演:翫雀改め中村鴈治郎 中村扇雀 片岡秀太郎 片岡我當 片岡仁左衛門 ほか

歌舞伎座「壽初春大歌舞伎」舞台の模様を放送
演目:『黒塚』 ほか
出演:市川猿之助 市川門之助 市川寿猿 市川男女蔵 中村勘九郎 ほか

・1月9日(金)22:00〜22:58/16日(金)12:00〜12:58(再) 
にっぽんの芸能
初春歌舞伎三昧! 「素襖落」

演目:新歌舞伎十八番の内『素襖落』
出演:松本幸四郎 坂東彌十郎 坂東亀寿 松本錦吾 市川高麗蔵 市川左團次
(2014年6月 歌舞伎座にて収録)

・1月16日(金)22:00〜22:58/23日(金)12:00〜12:58(再) 
にっぽんの芸能
顔見世興行から「藤十郎の恋」

演目:玩辞楼十二曲の内『藤十郎の恋』
出演:中村扇雀 片岡孝太郎 片岡亀蔵 中村松江 上村吉弥 松本錦吾 ほか
(2014年12月 京都四條南座にて収録)

・1月25日(日)21:30〜23:30 
古典芸能への招待
歌舞伎「寿式三番叟」「勧進帳」

演目:『寿式三番叟』
出演:市川染五郎 尾上松緑 坂東亀寿 中村歌昇 中村米吉 片岡我當 ほか

演目:歌舞伎十八番の内『勧進帳』
出演:市川染五郎 中村吉右衛門 松本幸四郎 ほか
(2014年11月 歌舞伎座にて収録)

【2014. 12. 23 (火)】 author : 六条亭
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『義賢最期』『幻武蔵』『二人椀久』―十二月大歌舞伎昼の部の感想
『義賢最期』

愛之助はこの演目をお正月の浅草歌舞伎で上演したばかりです。昨年九月以来久々の歌舞伎座出演ですから、別の演目で観たいと思ったのも事実です。そうは言っても仁左衛門から教えられた義賢最期は安定した出来で、見応えがありました。なにより舞台全体に放たれるオーラがあり、華と大きさがありました。「戸板倒し」「仏倒し」など、激しい立廻りも見事でした。愛之助はもっと歌舞伎の、それも時代物の舞台を観たいものです。

梅枝の小万が情のあるなかにもキリリとしていて、愛之助を守り立てています。同年代の女形の中でも頭一つ抜けた存在になりつつあります。亀三郎の蔵人も容姿・口跡のよさ加えて柔らかさと品を醸し出しています。尾上右近も最近の充実ぶりがこの待宵姫でもよく発揮されています。若手中心の舞台ですが、笑也、猿弥も好助演です。

『幻武蔵』

森山治男作の新作歌舞伎。玉三郎が演出を兼ねています。たしかに天守物語と通底する幻想美と浄化はありますが、群像劇のようでもあり歌舞伎の演目というより新劇に近い印象を受けました。舞台装置も簡素と言えば簡素ですが、お金をかけていないチープさを、また廻り舞台を頻繁に廻すのもやや小うるさく感じました。

主役の獅童は拵えもあるでしょうが、意外にも剣豪役には似合わず、台詞回しも本人自身迷っているような中途半端なものでした。松也は立役と女形のどちらも演じられるので、もう一方の主役に相応しい存在感があって結構だと思いました。玉三郎が淀君の霊で出演しています。 児太郎の千姫がよい出来です。

『二人椀久』

玉三郎の傾城松山太夫がやはり天下一品!オペラグラスが釘付けに(^.^;。眼福、眼福!ただ初日ゆえか海老蔵の踊りに切れが不足していましたから、早間の部分がもう一つ弾みません。色気もさらにほしいところです。松山太夫の引っ込みはスッポンで。

それにしても劇場内が暗いままの演目が二つ続くのはいかがなものかと思いました。

【2014. 12. 07 (日)】 author : 六条亭
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通し狂言『雷神不動北山櫻』(毛抜、鳴神、不動)―十二月大歌舞伎夜の部の感想
海老蔵は通し狂言『雷神不動北山櫻』を数回出していますが、歌舞伎座では初の上演です。 そのためか今回の通し上演では序幕は今までの舞台と変えていて、『仮名手本忠臣蔵』の大序風にしています。自ら行っていた物語と登場人物を説明した口上は止めて、口上人形を使い、早雲王子は人形身です。

その狙いも当たりこの序幕は門之助、市川右近、愛之助などが揃い、荘重な出だし。天子の座を狙い奸計を企む早雲王子は公家悪の禍々しさがあってよい出来だと思いましたが、陰陽師安倍清行は外見は光源氏風にしても好色さを強調するあまりかややわざとらしさが感じられます。

「毛抜」に続く場面を含めて、「鳴神」「不動」の間をつなぐ場面も説明的で役者も仕どころが少く、観ていてもあまり面白いとは思えないのは変わりません。単に舞台転換と海老蔵の拵えの時間を稼ぐためとも言えましょう。しかし、それだけ「毛抜」「鳴神」が群を抜いて歌舞伎十八番らしい面白さがあると言えます。

「毛抜」
海老蔵の粂寺弾正は大らかさ、豪快さと稚気があって安心して観ていられます。以前に比べて高音部の台詞回しも安定してきています。ただやや大仰過ぎる部分があるのが欠点です。同様なことは獅童にも言えます。

誇張した演じ方が時として漫画的に見えてしまうのは再考の余地があるでしょう。毛抜は元々そういう要素があってよい狂言ではありますが、程というものがあると思います。市川右近の小野春道はニンにあっておらず、松也、児太郎も物足りません。笑三郎の巻絹はすっかりとこの人の持ち役で手堅く、尾上右近も最近の好調さを裏付ける出来でした。


「鳴神」
今回の通し上演の中では玉三郎が約28年ぶりに雲の絶間姫を演じたこともあって圧倒的に鳴神が良く、続いては毛抜です。不動は一種のショーですし、ネタバレしないよう書くことは控えます。

玉三郎の鳴神、雲の絶間姫を書くとなるとどうしても1987年お正月の国立劇場の舞台のことを書かざるを得ません。ここは暫く個人的な回想を書き連ねることをお許しいただきたい。

1987年お正月の国立劇場公演は同じ『雷神不動北山櫻』の通し上演でした。それは私にとって忘れられない舞台です!思えば初代辰之助の粂寺弾正であり、十七代目羽左衛門の不動明王という豪華版でした。鳴神上人と不動明王は本来二代目松緑が演じる予定だったはずが、体調不良により休演し、それぞれ代役がたった訳です。

しかし私はひたすら玉三郎を、絶間姫を観たかったのです!学生時代は時間だけはありましたから、好きな歌舞伎を多く観ていました。お知り合いから株主優待のチケットを頂いていそいそと通ったことも懐かしい想い出です。ただ、今思えば当時は楽しんでいたというより勉強の延長のような感じです。しかし、就職してからは高度成長期の時代、仕事も忙しいうえに、転勤・家族の病気・結婚等家庭にも追われ、歌舞伎観劇はお預け。

ですから、 観劇休止中に一躍女形のホープとして人気急上昇の玉三郎の生の舞台にはなかなか接する機会がなかったのです。四十歳を過ぎて仕事も安定し余裕が出てきたところへ、玉三郎の雲の絶間姫!これを見逃してはならじと観に行ったことが大袈裟に言えば私の人生の大転換となりました。鳴神上人以上に玉三郎の色香に迷ったのです。拙HPも拙ブログも誕生しなかったでしょう。

花道から出た玉三郎の絶間姫は儚げで、脆くも崩れそうな風情でした。だが自らの恋を語りながら上人を、観客を巧みに惹きつけてしまう。そして濃厚な濡れ場。清潔でありながら、ついには上人を落としてしまう色香があります。世話に砕けてからもポンポンとやり込めながら、酒に溺れさせてしまいます。しかし、その心底には上人を騙したことに対する申し訳ないという心根がありました。また富十郎の鳴神上人も荒事の基本をきっちりと押さえながら、破戒してゆく高僧を見事に演じていました。

滝壺に封じ込められた龍神を解き放つ絶間姫の姿の凛とした美しさ!結局私は玉三郎に女形の全ての美点を全身で感じ取ったのだと思います。その時今この女形を観ておかないと絶対後悔すると心に決めたのです。勿論まだ働き盛りであったから、全ての舞台を観る時間的余裕はなかったのですが、阿古屋初演など主要な役は追いかけました。

八ツ橋や揚巻でさらに少なくとも東京周辺での舞台の追いかけは加速しましたが、なぜか雲の絶間姫の再演はなかったのです。そこへ約28年ぶりの今回の海老蔵との共演。否が応でも期待は高まり、そしてその期待以上の満足感で満たされました。より大きく艶めかしい絶間姫が花道にいます!馴れ初めの語りも愛らしく、色っぽい!また濃厚さを増した濡れ場。上人に胸元へ手を入れられて見せる恍惚の表情は観ているものをゾクッとさせるに十分でした。

世話に砕けてからもも玉三郎が得意とする捨て台詞や呟きが効果的で上人を翻弄します。海老蔵も負けじと応酬するさまはまことに鳴神の面白さを堪能させてくれました。海老蔵は玉三郎と一緒の舞台ですとピリッと締まっているように感じられます。この鳴神を含む第三幕と大詰の一幕見だけでも一見の価値があります。これを観なければ絶対に損です!
【2014. 12. 05 (金)】 author : 六条亭
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長谷部浩『菊之助の礼儀』(新潮社)を読む


著者と菊之助との交友、対話録。著者が私的アドヴァイザーの立場で多くの菊之助の舞台に係わったことが分かる。『NINAGAWA 十二夜』もその大きな成果の一つ。

ここに書かれている数年は菊之助が意識して父菊五郎の後継者を目指して役柄を広げて来た時期。著者の著した『菊五郎の色気』で祖父梅幸がいかに子息に七代目を継がせようか腐心したエピソードがあるが、それを知って菊之助は音羽屋の跡継ぎとしての意識がよりたしかのものになった形跡がある。この数年の菊之助の演じた役は初役の多さも含めて、目次の外題を見ても女形は立女形、立役も世話物から時代物まで実に幅広く、目を瞠るばかりである。

しかもそのどれも確実な成果をあげてるのだが、決して満足せず更なる高みを目指して真摯に取り組む。この自制心を著者は「菊之助の礼儀」と呼ぶ。最近の意欲的な舞台の数々はまた新たな挑戦を期待させる。四十までには新作を、四十を過ぎたら弁慶を!には歌舞伎への愛がある。

菊之助に対して父菊五郎はある意味では本人の自発性に任せ、女形の大役を玉三郎の教えを請わせるなど要所を押さえた指導をしていることも見逃せない。播磨屋を岳父としてその藝をも吸収しようとしている菊之助の今、そして今後を語るには本書は欠かせない本であろう。
【2014. 11. 29 (土)】 author : 六条亭
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壽初春大歌舞伎の演目と配役の発表!
昨日の顔見世初日にあわせて壽初春大歌舞伎の演目と配役が発表されました。歌舞伎美人は、こちら。

この出演者なら『妹背山婦女庭訓』吉野川が出せたはずですが、以下の演目では大幹部が顔合わせる演目がほとんどなく不満が残ります。両花道は出すつもりがないのでしょうか?新装開場後猿之助がはじめて歌舞伎座に出演するのは朗報なのですが。

松竹創業120周年
壽初春大歌舞伎

平成27年1月2日(金)初日〜26日(月)千穐楽

【昼の部】(午前11時開演)

祇園祭礼信仰記
一、金閣寺

松永大膳 :染五郎
雪姫 : 七之助
此下東吉 : 勘九郎

二、蜘蛛の拍子舞
花山院空御所の場

白拍子妻菊実は葛城山女郎蜘蛛の精 : 玉三郎
渡辺綱 : 勘九郎
源頼光 : 七之助
坂田金時 : 染五郎

三、一本刀土俵入

駒形茂兵衛 : 幸四郎
お蔦 : 魁 春
船印彫師辰三郎 : 錦之助
堀下根吉 : 高麗蔵
波一里儀十 : 歌 六


【夜の部】(午後4時40分開演)

一、番町皿屋敷

青山播磨 : 吉右衛門
腰元お菊 : 芝 雀
放駒四郎兵衛 : 染五郎
渋川後家真弓 : 東 蔵

二、女暫

巴御前 : 玉三郎
蒲冠者範頼 : 歌 六
清水冠者義高 : 錦之助
成田五郎 : 男女蔵
女鯰若菜 : 七之助
轟坊震斎 : 又五郎
舞台番辰次 : 吉右衛門

三、猿翁十種の内?黒塚

老女岩手実は安達原の鬼女 : 猿之助
阿闍梨祐慶 : 勘九郎

【2014. 11. 02 (日)】 author : 六条亭
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新橋演舞場十月花形歌舞伎夜の部『獨道中五十三驛』の感想
猿之助が三代目が選んだ四十八撰からの人気通し狂言に挑む二ヶ月連続奮闘公演。まず観劇順序とは異なるが、7日に観劇した夜の部の感想から。

外題に因んで四幕五十三場、幕間も入れて上演時間約五時間はある意味忍耐のいる観劇である。しかし、澤瀉屋のDNAを受け継いだ猿之助のサービス精神はこの長丁場に一点の緩みもなく横溢し、文字通り舞台全体と花道を疾走する。そして次は何が出てくるのか?とワクワクさせる。海底での立ち回り(クレーンに乗って客席まで飛び出してくる)、岡崎の化け猫と宙乗り、そして本水を使った立ち回り、十八役早替わりなどとケレンのオンパレードである。しかし、ただのケレンには終わらず、観客を飽きさせず、最後まで楽しませたのは、ただ感嘆あるのみである。

舞台装置の転換や早替わりで裏方はさぞや目の回るような慌ただしさだと思うが、開幕五日目にして観ている方にそれほどストレスを感じさせない円滑な流れだったと思う。実は大詰の「写書東驛路」を除くと早替わりは売物の十八役の内七役に過ぎない。

序幕はやや説明に流れて平板になるのはやむを得ないだろう。また立役ばかりで変わり映えしないのもその一因。だが、幕開きに芝居前として猿之助本人が役者澤瀉屋として登場して劇中口上を述べるのはご愛嬌である。第二幕で傾城上がりの娘が登場して、米吉、隼人が絡む辺りから俄然面白くなった。崩れた色気が猿之助の女形ならではの味わいである。

早替わりは事前の予想が外れ、大喜利「写書東驛路」で驚くべきことに十二役早替わりで踊り分ける。しかも元々女形で出発して襲名とともに立役に比重を移した人だから、女形の踊りが上手く、綺麗である。それが立役の踊りに活きて切れの良さにつながる。

歌舞伎演目のパロディ満載であるから、思わずニヤッとする場面も多い。歌舞伎を好きな方にはぜひご覧いただきたい。浄瑠璃ではとくに「お染の七役」を知っているとより楽しめるが、その他は役名をよく見ておくことをお勧めしたい。

共演陣は勿体無いほどの充実ぶりで、猿之助の独り芝居になっていないことも特筆したい。澤瀉屋一門では笑也が得意にしている役で光り、猿弥が達者。門之助、亀鶴も好助演。竹三郎は出番は少ないものの、さすがに主役を引き立てる大きさがある。米吉、隼人の若手二人も健闘。とくに米吉は先月のへ秀山祭に続き昼夜ともに大役。現時点では時代物より世話物の方が優れているが、将来どこまで伸びるか楽しみである。

スーパー歌舞伎?を担当した原田保氏の照明は歌舞伎としては斬新だが、時として過剰で観る側にはうるさく感じる部分もあったことも付け加えておきたい。夜はとくにパワーアップしていて宙乗りの時は光線が乱舞しているような印象で、目にチカチカしたのは再検討してもらいたい。

たしかに舞台効果を際立たせている部分もあるとは思うが、そのために歌舞伎の持っている陰翳の美しさに欠ける結果になっていて、チープにも見える。

「市川猿之助奮闘連続公演」開幕 | 歌舞伎美人(かぶきびと)

四十八撰の通し狂言の原点に立ち返っての復活・再創造となった今回の上演は、三代目の志を引き継いでい四代目猿之助の色を出すようにして、大成功だと思う。観客席も大喜びであったから、この演目を四代目のものとして定着させるためにも昭明の部分についてはぜひ手直しを希望したい。

【2014. 10. 12 (日)】 author : 六条亭
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十月大歌舞伎初日昼夜通し観劇と十二月の演目と配役発表!



今日は十月大歌舞伎の初日を通して観劇中です。勘九郎と七之助が追善に相応しい熱演です。

朝入場すると、大間に十二月の演目と配役発表が掲示されていて、ポスターも一枚三階に掲示されていました。


歌舞伎美人にも発表されました。→こちら。

玉三郎が上置きになって、海老蔵が座頭格、愛之助(久しぶりの歌舞伎座出演)、獅童、松也の出演です。

玉三郎が海老蔵と二人椀久と鳴神で共演するのが注目です!

【2014. 10. 01 (水)】 author : 六条亭
| 歌舞伎 | comments(2) | trackbacks(0) |
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